こんにちは、Dr.komakoです。
インフルエンザは合併症の発生はあまり多くないわ。高熱が長く続いて苦しい思いをするけれど、熱が下がった後はわりとすっきりと良くなる傾向があるわ。でも稀に、咳が長引くようなことがあるわよね。それは、インフルエンザウイルスによるものではなく、細菌に2次感染して現れている症状です。
インフルエンザの合併症
細菌性気道感染症
インフルエンザの熱が落ち着いた後も、しつこい咳が続いていたら、細菌性気道感染症の可能性が高いわ。
呼吸器には外部からの空気が直接入り込んでくるわ。空気の中は、ほこりや病原菌でいっぱいよ。気管支の粘液は、体に害を与えるほこりや病原菌をキャッチしてくれるの。すると、線毛が動いて粘液ごとほこりや病原菌を外に出してしまうの。
インフルエンザウイルスに感染すると、呼吸器の粘膜がダメージを受けて、感染防御機能が低下してしまうわ。それに、インフルエンザウイルスとの戦いで消耗した身体や抵抗力が落ちていて、普段よりも細菌に感染しやすくなっているの。
細菌性上気道感染症にかかると、咳やのどの痛みといった呼吸器症状が悪化して、緑色の痰が出るわ。
インフルエンザに細菌性上気道感染症にかかりやすいのは、煙草を吸っている人、高齢者、慢性呼吸器疾患、妊婦さんなどよ。お年寄りは、肺炎のリスクも高くなるから注意してね。煙草を吸っている人は、インフルエンザにかかっている間くらい、禁煙してくださいね。
肺炎
インフルエンザで肺炎を起こす割合は低いけれど、高齢者や慢性呼吸器疾患などの基礎疾患を持っている人は、一度肺炎を起こすと重症化しやすいから注意が必要よ。
肺炎には、インフルエンザウイルスが直接起こす肺炎と、インフルエンザウイルスと細菌感染の両方から起こる肺炎と、インフルエンザウイルスではない細菌が原因で起こる肺炎があるの。
とくに、インフルエンザウイルスが直接肺炎を起こす順ウイルス性肺炎は重症化する可能性が高いから注意が必要よ。
>>肺炎について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
細気管支炎
気管支は枝分かれしながらだんだんと細くなって行くの。ウイルス感染によって、細気管支という気管支の先の方に炎症が起こるのが細気管支炎よ。とくに、乳幼児に合併しやすい病気なの。咳がひどくなって、呼吸が「ヒューヒュー」音を立てていたら、細気管支炎を疑って、病院を受診しましょう。
大人が細気管支炎にかかることはあまりないけれど、インフルエンザウイルスに気管支の末梢が傷付けられて、そこに細菌感染が起こるとびまん性汎気管支炎という状態になるの。放置していると、死に至ることもあるから、呼吸器の症状が長く続くときは、病院に行きましょう。
侵襲製アスペルギルス症
白血病の患者さんや、免疫抑制剤の治療を受けている人がインフルエンザウイルスに感染すると発症する可能性があるの。急激に進行して熱、胸痛、咳、呼吸困難が急激に進行して命に関わる状態になる可能性があるの。
心筋炎
インフルエンザウイルスで心筋炎を合併することは少ないし、軽症であれば知らないうちにかかっていていつの間にか治っているという可能性もあるの。でも、高齢者では重症化する可能性があるわ。
インフルエンザの症状が出て、3日から1週間後に動悸、呼吸困難などの心不全症状が起こるの。心筋炎になってしまったら入院が必要になるわ。
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