こんにちは、Dr.komakoです。
インフルエンザが肺炎を起こすことは少ないわ。とくにインフルエンザにかかりやすい学童期の子供たちが肺炎を起こすことはめったにないわ。インフルエンザによって肺炎を起こすのはほとんどが高齢者よ。肺炎を合併するから高齢者がインフルエンザによって命を落とす確率は若年層よりも高くなるわ。ただ、インフルエンザによっておこる肺炎には3つの種類があり、死亡率の高い肺炎はその中の1種類よ。
インフルエンザと肺炎|インフルエンザの肺炎には3つの種類があります
純ウイルス線肺炎
インフルエンザウイルスが直接起こす肺炎よ。インフルエンザウイルスが起こす肺炎は、二次感染によっておこる続発性細菌性肺炎が多くて、純ウイルス性肺炎になることはめったにないわ。
ただ、ハイリスク群(高齢者・慢性呼吸器疾患、慢性心疾患など基礎疾患のある人)が純ウイルス性肺炎にかかることが多いの。純ウイルス性肺炎はARDS(急性呼吸促迫症候群)を起こしてしまうことが多いの。ARDSは肺水腫や低酸素血症を起こして死亡する確率が高くなるの。
純ウイルス性肺炎はインフルエンザの高熱が出た1日~2日後に急激に呼吸症状(呼吸困難など)が起こるの。急激に進行していくから注意が必要よ。
痰は少なくて透明もしくは白色だけど、症状が進行してARDSをおこすと血性の痰になるわ。他の肺炎と違うのは、白血球が増加しないこと、CTで肺を写すと肺全体にすりガラス状の白い影が映ることよ。
純ウイルス性肺炎は、A型インフルエンザが原因で発症すると考えていいわ。
続発性細菌性肺炎
インフルエンザにかかると、喉の粘膜がやられてウイルスが侵入しやすくなるうえに抵抗力も落ちているから細菌に2次感染しやすいの。二次感染したウイルスによって肺炎を起こすのを続発性細菌性肺炎というわ。
これはインフルエンザで起こる肺炎の中で最も多いタイプの肺炎よ。純ウイルス性肺炎ほどではないけれど、死亡例も多くて注意が必要よ。
続発性細菌性肺炎は、インフルエンザによる熱が一旦下がってからまた高熱がぶり返すのが特徴的よ。呼吸器症状も現れて、黄色や緑色など、色の濃い痰が大量に出るわ。血液検査をすると、白血球が増加しているのが分かるわ。病原菌になるのは肺炎球菌やブドウ菌であることが多いわ。
ウイルス・細菌混合性肺炎
インフルエンザウイルスと二次感染した細菌の両方が同時に肺炎を起こすことがあるの。インフルエンザの高熱や呼吸器症状がだんだん悪くなったり、少し良くなってもまた悪くなるわ。膿のような痰がたくさん出て、白血球も高くなるわ。
インフルエンザで肺炎を起こすのは、高齢者や慢性の基礎疾患を持っている人よ。インフルエンザの症状が急激に悪くなる、いつまでも続いてだんだんひどくなる、一度回復したのにまた悪化したという人は、すぐに病院へ行って検査をしてもらいましょう。
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