こんにちは、Dr.komakoです。
健康な成人にとってインフルエンザが重症化して命に関わることはめったにないわ。でも、ハイリスクグループと呼ばれる健康状態の人たちにとって、インフルエンザは命を脅かす危険な病気よ。自分や、身近な人は重症化しやすいハイリスクグループに含まれていませんか?
インフルエンザが重症化しやすいのはどんな人?
インフルエンザの重症化ってなに?
インフルエンザは感染すると高熱や上気道炎症状を起こすわ。高熱が出て大変な思いをするけれど、症状は1週間くらいで落ち着くはずなの。
>>インフルエンザの症状について詳しくはこちらの記事をお読みください。
インフルエンザの症状は? - Dr.komakoのおんなのよろず診療所
インフルエンザにかかっている時には、免疫機能が低下しているし、抵抗力も落ちているから、肺炎球菌やブドウ球菌など普段は感染しない細菌に感染しやすい状態になっているの。
インフルエンザのウイルス以外の細菌に感染すると、気管支炎や肺炎などの合併症が起こって、重症化してしまうの。とくに肺炎は死亡の原因になるから注意が必要よ。
高齢者
いつも元気なおじいさん、おばあさんも、インフルエンザにかかると肺炎などの合併症をおこして重症化してしまう可能性が高いの。
高齢者はどんなに元気な人でも、免疫機能は低下しているわ。それに、痰を外に出す力や咳をする力が弱くなって、病原菌を外に出しにくくなっているの。知らないうちに細菌やウイルスを含んだ唾液が気管に入り込むこともあるわ。
健康な成人であればウイルスの感染は喉の上の方だけでとどまるけれど、高齢者は喉の下の方までウイルスや細菌が入り込んで肺炎を起こしやすいの。
それに、高齢者は次に説明するような肺や心臓、生活習慣病の持病を持っている人が多いわ。持病を持っている高齢者は重ねて注意が必要よ。
慢性呼吸器疾患
慢性呼吸器疾患とは、次の病気の事よ。
- 慢性閉塞性肺疾患(肺気腫・慢性気管支炎)
- 気管支ぜんそく
- 気管支拡張症
- 間質性肺炎(肺線維症)
- 肺結核後遺症
- その他の低肺機能・慢性呼吸不全
慢性閉塞性肺疾患は喫煙者の15%~20%が発症するといわれているけれど、高齢者で喫煙習慣のある人の半分はこの病気にかかっていると考えていいわ。軽症の間は自覚症状が少なくて、かかっていることに気が付いていない可能性もあるわ。
慢性閉塞性肺疾患の軽症の患者さんでも、インフルエンザにかかると喘鳴や呼吸困難をおこしやすいし、治るのに時間がかかるわ。ひとたび肺炎を起こすと急激に悪化してしまうのよ。
気管支ぜんそくの人がインフルエンザにかかると、インフルエンザの症状に加えてぜんそく発作も起こってしまうの。
間質性肺炎の人はインフルエンザにかかると重篤な呼吸不全を起こしやすくなるわ。
慢性心疾患
慢性心疾患とは、次のような病気よ。
- 虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)
- 心臓弁膜症
- 高血圧性心疾患
- 心筋症
- その他慢性心不全
慢性心疾患を持っている人がインフルエンザにかかると、全身状態が悪化して、持病の心疾患が悪化することがあるの。とくに左室壁運動が低下しているとお医者さんに言われたことがある人は要注意よ。気道におこったウイルス感染が原因でうっ血性心不全を起こしてしまう危険性があるの。
その他の重症化する原因
そのほか、インフルエンザが重症化しやすくなる原因には、様々なものがあるわ。
- 慢性腎不全
- 人工透析
- 慢性肝炎
- 肝硬変
- 糖尿病
- 妊婦
- アルコール中毒
- 脳血管障害
- 長期臥床状態
- 低栄養状態
- 慢性消耗性疾患
- 免疫低下状態(免疫抑制薬や抗がん薬投与中を含む)
- 免疫不全
インフルエンザの重症化を防ぐ方法
インフルエンザの重症化を防ぐ方法は、何と言ってもインフルエンザワクチンを打つことよ。インフルエンザワクチンの効果を疑問視する声もあるけれど、ハイリスクグループの重症化予防には効果があるわ。
インフルエンザの重症化を防ぐには、何よりもインフルエンザにかからないことが大切よ。外から帰ったらうがいと手洗いをする、外出時はマスクをつける、部屋の湿度を上げてマメに喚起する、人が集まるところにはいかない、栄養のバランスの取れた食事をして生活リズムを整え、抵抗力をつけておくことよ。
それに加えて、高齢者の方は特に、ぜひ禁煙してください。
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