こんにちは、Dr.komakoです。
高齢者施設でのノロウイルスの集団感染は毎年のように起こっているわ。高齢者はノロウイルスが重症化しやすく、命に関わる危険性もあるの。高齢者施設でノロウイルスが広がる原因の一つには、嘔吐物の処理の重要性を理解していないことが挙げられるわ。
高齢者施設の集団感染で考えられる感染経路
高齢者施設ではどこからノロウイルスが侵入してくるの?
高齢者施設にもいろいろあるけれど、重症度の高い高齢者施設ほど、入所者が自分の意志で外に出ることは少なくなるはずだわ。入所者が外に出ない以上、入所者以外の人がのノロウイルスを持ち込むことになるはずよ。
高齢者施設のノロウイルス侵入経路
- スタッフ
- 面会者
- 通所者
- 新入所者
- 業者
- 業者から持ち込まれる物品や食材
スタッフがノロウイルスにかかってノロウイルスを持ち込んでしまうことが一番多いかもしれないわね。高齢者施設は忙しくて、慢性的に人手不足だわ。だから、ちょっとした体調不良で仕事を休むのは気が引けることかもしれないわ。でも、吐き気がしたり、軽くても下痢をしているときは、病院で検査を受けるように施設で徹底したほうがいいわ。ノロウイルスに感染したら、症状がなくなっても数週間から1か月くらいは排菌して周囲の人にノロウイルスを感染させてしまう可能性があるの。また、家族がノロウイルスにかかったら、感染していても症状が出ない不顕性感染を起こしている可能性もあるわ。ノロウイルス感染時の休職期間については施設ではっきりと取り決めをして、休職できる体制を整えておく必要があるわ。
面会者がノロウイルスを持ち込むことも多いわね。面会者からのウイルス侵入を防ぐには、窓際作戦が有効よ。受付で必ず面会者の体調を確認し、手洗いやマスク、手指消毒を徹底してもらうの。この時期の食品の差し入れはお断りしたほうがいいかもしれないわ。
通所者さんは送迎時に体調を確認して、体調が悪い時は通所をお休みしてもらいましょう。通所者の家族にノロウイルス感染者がいる時も、通所をお休みしてもらった方がいいわ。ほかの通所者に感染が広がると、大変なことになるわよ。
新しく入所してくる方や、ショートステイの利用者の同じよ。送迎時の健康チェックがとても重要よ。
施設に出入りする業者さんには、日ごろから体調不良者が施設に出入りしないように伝えておくことが大切よ。ノロウイルスの流行時期は、持ち込まれた物品で消毒が可能なものは次亜塩素酸を薄めた消毒液で消毒してから使った方がいいわ。食材はよく洗って、加熱処理をして、加熱調理後の食材を素手で触らないように注意してね。
嘔吐物からのノロウイルスの集団感染
どんなに注意していても、ノロウイルスに感染するのを完全に防ぐことはできないわ。ノロウイルスの感染者が出たら、大切なのは感染を広げないという事よ。
高齢者施設で集団感染が起こる原因は、吐物の処理のしかたが不完全だということが最も多いの。嘔吐物が感染源になることを知らないスタッフもいるかもしれないわ。嘔吐物の処理に複数の人が関わって感染者を増やしてしまうこともあるわ。また、予想以上に嘔吐物が散乱していることに気が付かずに、ノロウイルスの空気感染が起こったり、清掃でウイルスを広げてしまう可能性もあるわ。
浴室からのノロウイルスの集団感染
高齢者の型が下痢を失禁してしまった時は、浴室で身体を洗いながすことが多いのではないかしら。ノロウイルスは水中でも2か月以上生き続けるの。ノロウイルスに汚染された浴室は、格好の感染場所になってしまうわ。必ず、次亜塩素酸ナトリウムで消毒をしてね。
食事からのノロウイルス食中毒
高齢者施設で給食を作っている場合は、調理を行う人がノロウイルスに食品を汚染させて食中毒を起こすことがあるわ。食材が汚染されている可能性もあるわね。ただ、施設で生の食材を提供することは無いでしょう。仕入れ業者から持ち込まれた食品をそのまま配膳するようなときは注意が必要よ。カップ類は素手で扱われることが多いかもしれないけれど、カップ自体がノロウイルスに汚染されていると、そこから感染が広がるかもしれないわ。
高齢者施設でノロウイルスが隠れている場所
高齢者施設でノロウイルスが隠れている場所は、不特定多数の人が触れる場所よ。また、おむつを代える時の処理の仕方にも気を付けてね。まさか、汚染されたおむつやタオルを床に直に置いたりしていないわよね。汚染されたタオルや寝具は必ず消毒してね。
高齢者施設でノロウイルスが隠れていそうな場所
- トイレ
- 手洗い場
- 浴室
- ドアノブ
- 取っ手
- 車椅子の押し手
- ベッド回り
- 手すり
- 訓練器具
- 共用で診る新聞雑誌
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