Dr.komakoのおんなのよろず診療所

komako先生が女性の心と体の不調を解決します。

バセドウ病の治療 手術による治療方法とは?

こんにちは、Dr.komakoです。

 

バセドウ病の治療で、最も確実な治療方法は、何と言っても手術よ。でも、傷跡が残るか心配だし、手術って、なんだか怖い感じがするわよね。

バセドウ病の手術って、どんなものなのかしら?

 

バセドウ病の治療 手術による治療方法

f:id:komakosensei:20150621163932j:plain

バセドウ病の手術とは?

バセドウ病の手術では、甲状腺の一部を切り取ってしまうの。異常にホルモンを作っている工場を物理的に小さくしてしまうことで、甲状腺ホルモンの量を減らしてしまうという方法よ。

 

バセドウ病の手術は、昔から行われているの。

熟練したお医者さんの手にかかると、80%~90%の人が、バセドウ病の治療から解放されるわ。

 

バセドウ病の手術では、喉にメスを入れるわ。首の横方向のしわに添って切るから、ネックレスやスカーフで隠しやすいし、ケロイドが作られやすい体質の人でなければ、傷は数年でほとんど目立たなくなるわ。

 

甲状腺は、蝶が羽を広げたような形をしているの。手術では、両方の羽根を残して、中央部分を切り取って、左右合わせて3~4gの甲状腺を残しておくの。

甲状腺は、大切なホルモンを作るところだから、完全に取り除くことはできないわ。

残しすぎるとバセドウ病が再発するし、切り取りすぎると甲状腺の機能低下が起こるのよ。だから、どれくらい残すのかは、お医者さんの腕の見せ所よ。

 

手術を行うときは、甲状腺治療専門医がいる病院が安心よ。

甲状腺専門医の探し方は、この記事で紹介しているわ。

 

komakosensei.hatenablog.com

 

バセドウ病の手術を行うのはどんな人?

バセドウ病の治療は、最初は薬での治療を行うわ。

手術を選択するのは、つぎのケースよ。

  • 治療に時間をかけられない人
  • 甲状腺の薬で副作用が出た人
  • 現在妊娠中、もしくは1年以内に出産を希望している人
  • 薬を飲んでも効果があらわれない人
  • 腫瘍が合併している人

バセドウ病の手術の副作用は?

バセドウ病の治療で副作用が起こるのは、とてもまれなことなの。でも、手術前にリスクを知っておくことはとても大切なことよ。

バセドウ病の手術の副作用には、次のようなものがあるわ。

 

  • 嗄声(かすれ声):甲状腺の裏側の、声門の動きをコントロールしている神経を傷つけた時におこるの。でも、神経をさわらなくても一過性に声がかすれることがあるわ。この場合は、2~3か月で自然に治るわ。
  • 喉頭浮腫:手術による出血が傷の内部に溜まって、気道を圧迫し、喉頭浮腫をおこすの。時に呼吸困難に陥るわ。
  • テタニー症候群:手術で副甲状腺を傷つけてしまった時におこるの。副甲状腺ホルモンが分泌されなくなって、顔面がこわばったり、手足がしびれたりするのよ。

 

バセドウ病の手術の入院期間は?

バセドウ病の手術に伴う入院期間は、1週間程度よ。

手術にかかる時間は、1~2時間くらい。

ほとんどの患者さんが、退院後1~2週間で職場復帰したり、通常の生活に戻って行くわ。