こんにちは、Dr.komakoです。
今日のニュースで、「ラットがおぼれる仲間を救助 苦しさ「共感」を確認」
というニュースがあったの。
ラットは、仲間がおぼれそうになったら、エサがあっても仲間を助ける方を優先する。しかも、自分がおぼれかけた経験があるラットの方が、そうではないラットよりも素早く行動する。という行動観察から、ラットには「共感」する能力があるって言う事が分かった、というニュースなの。
「共感」する能力あ、霊長類にしかないといわれていたの。今回の研究では、「共感」する能力がどのように進化していったのかを知る手掛かりになりそうなの。
ラットがおぼれる仲間を救助 苦しさを「共感」 「共感」をつくるミラーニューロンとは?
「共感」と「ミラーニューロン」
「共感」は、人と人がつながるうえで、とても大切な能力よね。
「共感」することで相手とうれしさや悲しみ、苦しみを共有し、心を通わせることができるわ。
この「共感」を生み出しているのは、脳の中にある「ミラーニューロン」というものなの。
相手の行動を見ていて、まるで自分が同じ体験をしたような感覚を覚えることは無いかしら?
テレビの画面でタレントがおいしそうにアイスクリームを食べていたら、そのアイスクリームの味を口の中で感じたような感覚。
怪我をした場面を見て、痛いと思わず目を背けること。
相手が笑顔をみせたとき、思わず笑顔を浮かべてしまうこと。
実際に体験していない相手の話に胸をいためること。
こんな体験は、日々頻繁に起こっているわ。
ミラーニューロンの働き
たとえばあなたがテニスを習っているとするわよ。
いつも習っている先生は、自分がテニスをしている姿を生徒たちにみせないの。
でもある日、その先生が風邪を引いて、違う先生がやってきたとするわね。
その先生は、実際に模範演技を交えながら指導したの。
そしたら、あなたは上手にボールを打てるフォームをイメージすることができて、一日ですごく上達したわ。
なぜあなたが一日ですごく上達することができたか。
それは、ミラーニューロンが活躍してくれたからよ。
先生が、模範演技をしているときには、脳の中の身体を動かすための命令を出している部分が働いているわ。
それを見ているあなたの脳でも、先生と全く同じ部分が働いているの。
あなたは座って先生の動きを見ているだけだとしてもよ?
これは、ミラーニューロンの働きによるものなのよ。
ミラーニューロンの発達
ミラーニューロンは、産れて数か月の赤ちゃんの時から発達を始めるわ。
2か月くらいの赤ちゃんが、突然にこっと笑うことがあるわ。
これは、反射的な物で、感情やミラーニューロンを伴うものではないわ。
でもだんだんと、お母さんの顔をじっと見て、目があったら笑ったり、表情を真似したりするようになるわ。
これはすでに発達を始めたミラーニューロンの働きによるものなの。
そして、ミラーニューロンは、重度の認知症にかかっても、最後まで残る能力でもあるわ。
言葉の交流ができなくなっても、笑いかけると笑顔で返してくれるお年寄りには、ミラーニューロンの働きが残されているの。この能力を通じて、「あなたと一緒に過ごすことがうれしい」と表現すれば、その表情は伝わって、笑顔を返してくれるわ。
ミラーニューロンは、今のところ霊長類と、鳥類の一部しか存在を確認することはできていないの。
でも、犬は飼い主の行動を見ていて、行動を察して役に立つように働くことがあるわ。
飼い犬や飼い猫は、飼い主が笑顔を向けると、口角を上げることがあるわ。
うちのにゃんこも、笑いかけると、じっと私を見て笑顔を見せるわ。
この話をしたら、みんな「飼い主の迷いごと」っていうんだけどね。