こんにちは、Dr.komakoです。
子宮がんには、赤ちゃんを育てる子宮本体にできる子宮体がんと、産道にできる子宮頸がんがあるわ。
子宮頸がんはウイルス感染によっておこる病気で、若い女性に多いの。
子宮体がんは、ホルモンの影響や、遺伝によっておこる病気で、子宮頸がんに比べると発症年齢は高くなるわ。
子宮体がんってどんな病気?近年増えている怖い病気の正体とは
■子宮体がんの原因
子宮体がんは、女性ホルモンのバランスが崩れることによっておこるの。更年期が近くなると、月経はあっても排卵が起こっていないことがあるわ。そういった時に、子宮の内膜が異常に増殖して、子宮内膜増殖症という状態を経て子宮体がんになるの。
排卵障害は、最近若い女性にも増えていて、30代の女性でも子宮体がんになる可能性はあるわ。更年期障害のホルモン療法で、エストロゲン単体のホルモン療法を行っていると子宮体がんのリスクが高くなるといわれているの。経口避妊薬を長期間飲んでいた人も、リスクが高いといわれているわ。
閉経後の肥満体型の人も、要注意よ。閉経後は、女性ホルモンを脂肪細胞から作るの。体脂肪が多いと、女性ホルモンの量が多くなるから、子宮体がんになりやすいわ。
子宮体がんは、女性ホルモンの影響が大きいがんだけれど、もう一つの原因に、遺伝が関係しているといわれているわ。近親者に子宮体がんにかかったことがある人は、要注意よ。
■子宮体がんにかかりやすい年齢
子宮体がんは、ホルモンバランスが崩れ始める40代から急激に増えてくるの。発症のピークは50歳代よ。
子宮体がんは以前は子宮がんの中で占める割合は15%ほどだったの。でも今は、子宮頸がんと変わらない、40%を占めているわ。これには、晩婚化や少子化、食生活の欧米化など、ライフスタイルの変化が関係しているといわれているの。
■子宮体がんの症状
子宮体がんでは、初期のころから不正出血が起こるの。不正出血は、前がん状態のサインであることが多いから、放置せず、婦人科で検査をしたほうがいいわ。
月経以外の出血や、閉経後の出血、閉経期なのになかなか閉経しないといった症状には、注意が必要よ。
他にも、排尿困難や、性交時痛、下腹部の痛みなどが起こるわ。
婦人科検診での子宮がん検診は、普通は子宮頸がんの事を指すの。40代を過ぎたら、子宮頸がんだけではなく、子宮体がんの検査も一緒に受けてね。
■子宮体がんの進行
子宮体がんは、進行が比較的ゆっくりなの。でも、発見が遅れてしまうと、治療が難しくなるわ。
子宮体がんは、腫瘍の大きさや転移の状態によって、病期をⅠ期からⅣ期に分けているの。でも、病期は実際に手術を行って、転移の状態を確認してからでないと確定できないわ。
- Ⅰ期:がんが子宮体部だけにあるもの
- Ⅱ期:がんが子宮体部の外の子宮頚部に広がっているもの
- Ⅲ期:がんが子宮の外に広がっていて、骨盤の外には広がっていない状態
- Ⅳ期:がんが骨盤の外に広がっていたり、遠隔転移を起こしている状態
■子宮体がんの治療
子宮体がんの治療では、手術でがんを取り除くことが基本になるわ。その上で、病期の状態や、患者さんの体の状態に応じて放射線治療、化学療法、ホルモン療法を併用するのよ。
治療後は、ホルモンバランスが崩れるから、更年期症状や、生活習慣病、骨粗鬆症が起こりやすくなるの。治療後の生活習慣には、気を付けることがいくつか出てくるわ。
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