こんにちは、Dr.komakoです。
橋本病って、聞いたことがあるかしら?
バセドウ病に並んで甲状腺の病気ではかかる人が多い病気なの。
でも、症状が他の病気と間違えられやすくて、間違った診断を受けていることも多い病気よ。
あなたの体の不調も、もしかしたら橋本病のせいかも・・・。
橋本病とは?
橋本病の名前の由来
橋本病は、その名の通り、橋本さんが発見した病気よ。
世界中で「橋本病(Hasimoto's disease)」といえば通じるわ。日本人として、なんだか誇らしいわね。
橋本策博士は1912年(大正元年)ドイツの医学雑誌に「リンパ球性甲状腺炎」という論文を掲載したの。欧米で広く知られるようになって、日本には第二次世界大戦後に逆輸入されてきたのよ。
橋本病は、日本人の名前が付けられているから、日本人特有の病気だと勘違いしている人もいるけど、実は世界共通の病気なの。アメリカでは、60歳以上の女性の6%近くの人が橋本病にかかっているというデーターがあるわ。
橋本病の原因
橋本病は、バセドウ病と同じように、自己免疫によっておこるの。
自己免疫によって、甲状腺に慢性的に炎症が起こることによって、甲状腺の機能が低下して様々な不調が起こってくるの。
甲状腺の病気は、女性の方がかかる人が多いの。
バセドウ病は、男性一人に対して四人の女性が病気にかかるわ。
橋本病はもっと女性の比率が高いの。
男性一人の患者さんに対して、六人の女性患者さんがいるのよ。
橋本病の症状
橋本病は、症状があらわれない患者さんが全体の70%を占めているわ。
血液検査で自己抗体があることが分かって、はじめて橋本病にかかっていることに気が付くの。血液検査で甲状腺の機能を調べることはあまりないから、橋本病にかかっていることに気が付いていない人は、とても多いわ。
病気が進行していくと、甲状腺全体が腫れてくるの。この状態を「慢性甲状腺炎」と呼ぶわ。
病気がさらに進むと、甲状腺の機能低下による身体の不調があらわれるの。
橋本博士の論文には、この状態になった甲状腺炎のことが書かれていたから、「古典的橋本病」なんて呼ばれているわ。
進行して体に不調があらわれる「古典的橋本病」の状態の人は、橋本病の10%ほどよ。
古典的橋本病の症状
古典的橋本病は、とても多彩な症状があらわれるわ。
- 首の腫れ
- 身体の冷え
- 肌の乾燥
- 体重増加
- むくみ
- しわがれ声
- 便秘
- 意欲の低下
- 物忘れ
- 眠気
- こむらかえり
- 徐脈
- 月経過多
橋本病の治療
橋本病と診断されても、身体に何か症状が出ていないうちは、特に治療は必要がないわ。
甲状腺のホルモンが減少して、「古典的橋本病」といわれる症状が出て初めて、治療を始めるの。
橋本病の治療は、甲状腺ホルモンを服用する、ホルモン充填療法を行うわ。
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