こんにちは、Dr.komakoです。
甲状腺がんは、ほとんどが進行の穏やかな乳頭がんに分類されるの。でも、どんなに穏やかながんでも、進行していくと命に関わるから、治療が必要よ。甲状腺のがんには、手術、アイソトープ、放射線治療、抗がん剤治療が行われるわ。
甲状腺がんの種類については、こちらの記事をごらんください。
甲状腺がんの治療 4つの種類の治療方法とその生存率
手術
甲状腺は、甲状腺ホルモンという、身体には必要不可欠なホルモンを作る場所だから、できれば全摘出手術はしたくないところなの。
甲状腺は蝶が羽を広げたような形をしているわ。真ん中を「峡部」、左右の羽根をそれぞれ「右葉」「左葉」と呼ぶの。
甲状腺の手術には、甲状腺の右葉と左葉を取り除く「葉切除」と、甲状腺の大部分を取り除く「亜全摘」甲状腺のすべてを切除する「全摘」の3つの種類があるの。
がんが転移している可能性がある時は周囲のリンパ節も一緒に取り除く「リンパ節廓清」も行われるわ。
甲状腺の手術は、長くても1~2時間くらいで済んで、周囲を傷つける心配もないわ。手術後は1週間くらいで退院することが多いわ。
甲状腺の全摘出手術を行った時は、甲状腺ホルモンを一生服用する必要があるの。甲状腺ホルモン剤は副作用の心配も少ないから心配しないで。術後に必要な治療は、それくらいで、ほとんどの場合抗がん剤や放射線治療を行うことは無いわ。
甲状腺手術の治療成績はとてもいいの。
乳頭がんは95%、濾胞がんは93%、髄様がんは90%の生存率よ。つまり、未分化がんをのぞけば、甲状腺がんは生存率がとても高いがんなのよ。
アイソトープ療法
乳頭がんと濾胞がんは、甲状腺ホルモンを作る濾胞細胞ががん化したものなの。濾胞細胞は、ヨードを取り込む性質があるのだけれど、がん細胞にもこのヨードを取り込む性質が残されていることが多いわ。
甲状腺のがんが肺や骨に遠隔転移している場合は、ヨードを取り込む性質を利用して、アイソトープ療法が行われるの。
甲状腺を全摘出手術で取り除いた後、アイソトープを服用するの。アイソトープはがん細胞に集められるわ。そこで、β派を発してがんを破壊していくの。β派は飛ぶ距離が短いから、がん細胞以外を攻撃することは無いわ。
アイソトープ療法は、濾胞がんの再発を防止する効果もあるのよ。
ただし、遠隔転移したがん細胞が、アイソトープを取り込まないこともあるの。その時は治療効果は見込めないわ。
放射線治療と抗がん剤治療
放射線治療と、抗がん剤による薬物療法がおこなわれるのは、乳頭がんや濾胞がんが進行した場合と、未分化がんの治療、悪性リンパ腫の治療よ。
ただ、未分化がんは生存率がとても低くて、90%の患者さんが、1年ほどでなくなっているの。
悪性リンパ腫にも、放射線治療と抗がん剤による薬物療法がおこなわれるわ。こちらは根治は難しい病気だけれど、早期発見できれば高い治療効果が期待できるわ。
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