こんにちは、Dr.komakoです。
甲状腺の病気は遺伝性のものだと考えていいわ。
でも、どれくらいの確率で遺伝するのかしら。子供が甲状腺の病気にかかることはあるのかしら?
甲状腺の病気と遺伝:子供に与える影響と注意するポイント
甲状腺の病気が遺伝する確率
同じ家系に甲状腺の病気を持っている人が複数いるということは珍しいことではないわ。また、お母さんがバセドウ病で、お姉さんは橋本病、自分はバセドウ病といったように、橋本病とバセドウ病が同じ家系の中に混在していることもあるわ。
バセドウ病や橋本病のような、甲状腺の病気には、同じ遺伝子が関係していると考えられているの。だから、甲状腺の病気かどうかを調べる時に、同じ家系に甲状腺の病気の人がいないかどうか、訊ねられると思うの。
甲状腺の病気が遺伝することは確かにあるけれど、遺伝する確率は案外低いのよ。一卵性の双生児の場合、遺伝子は全く同じだから、遺伝性の病気は100%二人ともかかるはずなのよ。でも、甲状腺の病気に一卵性双生児の両方がかかる確率は、たった35%よ。甲状腺の病気は遺伝だけが原因で発症するわけではないという事ね。
親が甲状腺の病気を持っているから、子供が甲状腺の病気にかかるという確率は、一卵性双生児よりも低いと考えていいわ。
新生児バセドウ病
遺伝子に関係していなくても、胎児がお母さんの影響を受けてバセドウ病にかかることがあるの。
バセドウ病では、甲状腺を刺激する自己抗体がつくられるわ。それが、母体から胎児に伝わってしまうの。お母さんがバセドウ病の治療薬を飲んでいると、薬の成分もお腹の赤ちゃんに伝わって、バセドウ病の治療をしてくれるわ。だから、胎児がバセドウ病のために何か悪いことが起こるという心配はいらないの。
産れてきた赤ちゃんは、新生児バセドウ病という病気にかかっているわ。生まれてからは、赤ちゃんに直接治療を行うの。大体、1~2か月で完治するから、心配はいらないわよ。
子供の橋本病
極まれに、子供が橋本病にかかることがあるの。
先天性のものではなくて、子供の時に新たに発症する病気よ。子供が小学校に上がる時に、まだ身長が1mを超えていないときは、次の事に気を付けてみて。
- 身長が伸びない
- 胴体に比べて手足が短く頭が大きい
- 顔がむくんで腫れぼったい
- 思春期になっても月経がはじまらない
思い当たることがあったら、甲状腺の専門医に診てもらってね。早く治療を始めるほど、治療の効果は高くなるわ。
子供のバセドウ病
子供がバセドウ病にかかることがあるの。
10代未満の子供には少なくて、小学校の高学年から高校生になるにつれ、かかる確率が高くなるわ。
子供がバセドウ病になっても、大人に現れるような頻脈・眼球突出・手の震え・体重減少といった身体の症状は現れないの。症状のほとんどは、情緒的な問題として現れるわ。
思春期になって、急に次のような異変が起こったら、バセドウ病の可能性も考えてみて。
- 落ち着きがない
- イライラしている
- 情緒不安定
- 集中力がない
- 急に成績が落ちた
- 友人関係が上手く行かなくなった
- 不登校になった
- 性格が変わった
どれも、思春期の子供にはよく洗われる症状で、バセドウ病のせいであることを見過ごされてしまいがちなの。でも、本人は自分自身の変化を上手く説明できないし、持て余してしまって苦しんでいることが多いわ。
バセドウ病は治療すると情緒的な症状もおさまって行くわ。もしも当てはまることがあったら、甲状腺の専門医に診てもらってね。
まとめ
甲状腺の病気は遺伝するけれど、それほど高い確率ではないわ。
ただ、お母さんがバセドウ病にかかっていると、おなかの赤ちゃんもバセドウ病にかかることはあるの。これは、新生児バセドウ病という病気で、治療すれば1~2か月で完全に治るから心配はいらないわ。
子供が橋本病やバセドウ病にかかることがあるの。
女の子の発育がとても悪い時は橋本病の可能性を考えてみて。
思春期に急に情緒不安定になったり、学校で上手く行かないようなことがあったら、バセドウ病の影響かもしれないわ。
おかしいな、と思ったら、甲状腺専門のお医者さんに診てもらいましょう。
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