こんにちは、Dr.komakoです。
目の平衡機能検査というものがあって、めまいの原因を探るために行われるの。目の動きをみると、耳が原因のめまいなのか、脳が原因のめまいなのかが分かるのよ。
目の平衡機能検査とは?
目の平衡機能検査では眼振を検査します
めまいは耳や脳の病気で起こるはずなのに、目の検査をするっておかしいんじゃないの?鋭い人なら、疑問に思うはずよね。目の検査は、眼振という現象の起こり方を検査しているの。眼振というのは、じっとしていても眼球が小刻みに揺れ動いている現象なの。平衡機能に障害があると起こりやすい現象なの。
目の平衡機能検査には、8種類もあるの。
めまいは
- 目や耳からの情報の入力
- 脳幹・小脳での情報の分析と行動の指令
- 身体に指令が届いてバランスをとる
という3つのシステムのどこかが障害されていこるの。このシステムはとても複雑で巧妙に連携をとっているの。どこかが障害されても、他のシステムが機能を補ってあげるし、関係のないシステムに悪影響を与えることもあるわ。だから、いろんな検査をして多方面から情報を集める必要があるの。
8種類の検査は、次の3つの機能を調べる検査に分類されるわ。
- 機能異常の有無や程度を調べる
- センサーの機能を評価する
- 脳の統合・分析・指令機能を評価する
注視眼振検査
お医者さんの指など、一つのものをじっと見て、その動きを追っていく検査よ。この検査で眼振があると小脳や脳幹に異常があると推測することができるの。内耳の障害でめまいが起こっているときは、注視していると脳が内耳の機能を補うから眼振が起こらないの。
非注視眼振検査
この検査は、フレンチェルメガネという特殊なメガネをかけて行うの。フレンチェルメガネをかけていると、患者さんは眼の焦点が合わなくなるの。お医者さんからは患者さんの眼球が大きく見えて観察しやすくなっているのよ。
眼の焦点を合わなくすることで、内耳の障害を脳がかばってあげるのを邪魔するの。この検査で眼振があると内耳の異常によるめまいだと推測ができるわ。脳の異常によるめまいだと、注視眼振検査でも、非注視眼振検査でも眼振が起こるの。
非注視眼振検査には、2つの種類があるのよ。
頭位眼振検査
座った姿勢やあおむけに寝た姿勢で、頭をいろんな方向に動かしてみるの。その時に起こる眼球の動きを観察するのよ。
頭位変換眼振検査
寝ている状態から急に起き上がったり、座っている状態から寝転んだり、急激な体の動きをして眼振の状態を見るの。
温度眼振検査
この検査は、意図的にめまいを発生させるから、ちょっと苦痛を感じるかもしれないわ。
耳の中に冷水や温水をいれると、三半規管が温度変化を察知して内耳の中のリンパ液に対流が起こるの。通常三半規管のリンパ液が動くのは、頭に何らかの動きが起こった時よ。このメカニズムについては詳しくは下の記事に書いているわ。
でも、頭が動いていないのに、三半規管の中のリンパ液が動くとめまいと眼振が起こるの。正常な人では、当たり前の反応なんだけど、内耳に何らかの問題が起こっていると、めまいや眼振が起こらなかったり、とても弱かったりするわ。
視標追跡検査
眼球の動きがスムーズかどうかを見る検査なの。
スクリーンに丸い点などがあらわれ、左右に動くのを、じっと見つめるだけの検査よ。普通は、見つめているものに合わせて眼球はスムーズに左右に動くはずなの。でも、脳に異常があると眼球の動きがぎくしゃくするのよ。
視運動性眼振検査
この検査はすこしくらくらするかもしれないわ。
黒い縦線が等間隔に入った筒状の検査器の中で行われる検査なの。筒状の壁は回転するようになっているわ。患者さんは座った状態で、黒い線をしっかりと見るようにするの。最初は回転のスピードはゆっくりで、簡単に黒い線を確認することができるけど、だんだんスピードが速くなって行くと見えにくくなるわね。
脳に障害があると、かなり早い段階から黒い線を確認することができなくなるの。この検査では、脳の障害のある場所や程度を推測することができるわ。
回転刺激検査
椅子をぐるぐる回転させたり、左右に激しく動かしたりして、意図的にめまいや眼振をおこすの。ちょっと気分が悪くなるかもしれないわ。乗り物に弱い人は、あらかじめお医者さんに言っておいてね。
気分が悪くなるけど、この検査を行うと内耳の機能や脳の処理能力をかなり正確に知ることができるのよ。
頸部含浸刺激検査
首に振動する機械を当てて刺激を与えるの。首の筋肉や骨に異常があったり、片側の内耳機能に異常があると、特徴的な眼振が起こるのよ。
電気眼振検査
電気眼振計という機械を使って眼球の動きや眼振を記録するの。目の周りに電極を張り付けて行うの。検査の記録を残しておくための検査よ。
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