Dr.komakoのおんなのよろず診療所

komako先生が女性の心と体の不調を解決します。

耳鳴りの最新治療

こんにちは、Dr.komakoです。

 

耳鳴りは症状を消すことが難しい病気なの。治療の目的は「治す」ではなくて、「気にならなくする」ということになってしまうわ。耳鳴りを気にしないで穏やかに日常生活を送るために、たくさんの治療法が開発されているのよ。

 

耳鳴りの最新治療

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マスカー療法

検査で耳鳴りの音の大きさを調べてから、ヘッドフォンで耳鳴りよりも大きな雑音を1~2時間聞くの。雑音を聞き終わった後、耳鳴りが気にならなくなるという効果があるの。効果の現れ方には個人差があって、数日間耳鳴りが治まるという人もいれば、数分で効果がなくなってしまう人もいるわ。治療を行っても、半数の人は全く効果を感じないの。

 

雑音を聞くための装置は持ち運びができて、雑音を消したいと思っている時にすぐに治療を実施できるの。耳鳴りが気になって眠れないという人は、寝る前に行うことで眠りにつきやすくなるわ。

 

マスカー療法がなぜ効果があるのかという科学的な根拠はあまりよく分かっていないけれど、雑音を聞くことで聴覚の神経が疲労するのではないかと言われているわ。

 

TRT

脳には自分に必要な音や危険だと感じる音を聞き分ける力があるの。雑踏で自分の名前を呼ばれても気が付くことができたり、パーティー会場で隣の人の声を聞き分けて会話することができるのもこの能力のお蔭よ。

 

都会に住んでいる人が渓流のそばでキャンプをしたとするわ。大きな川の流れの音を普段聞きなれていない人にとって、恐怖感をかきたてる音に聞こえるかもしれないわ。特に眠る前になると、川の流れの音が気になって眠れなくなる可能性があるわ。でも、普段から川のそばに住んでいる人にとっては、川の流れの音と危険だと感じることは無いわ。いつも聞こえている音だから、脳はあえて川の流れの音を認識しないようにしているわ。

 

耳鳴りは、脳が自分にとって異常な音、危険な音と認識しているの。TRTは脳に「耳鳴りは異常な音でも危険な音でもない」と認識させて、耳鳴りを認識しないようにする治療法なの。

 

治療方法は、カウンセリングで耳鳴りの正しい知識を持つことなの。耳鳴りを必要以上に気にしてしまうと不安や動悸などの自律神経症状が起こって、脳が耳鳴りを危険な音だという反応を起こし、耳鳴りをさらに悪化させる悪循環を起こすわ。こういったメカニズムを理解するだけで、耳鳴りの症状が緩和されるの。

 

重症の患者さんには、カウンセリングと並行して、「音響療法」が行われるの。耳鳴りよりも少し小さな音量の音を一日6~8時間聞くの。TRTによって7~8割の患者さんが耳鳴りの苦痛から解放されたと感じるわ。ただ、効果があらわれるには1年以上かかる可能性もあるの。一度現れた効果は一生続くから、試してみる価値はあるわ。

 

星状神経節ブロック

星状神経節という場所は首にある神経のツボなの。ここに局部麻酔を注射することによって一時的に交感神経の機能がブロックされて緊張が緩むの。すると自律神経の不均衡が修正されてめまいや耳鳴り、難聴の症状が楽になるのよ。交感神経の働きが緩むことで、血流がよくなって内耳の機能が回復しやすくなるの。

 

注射を行った後は、声がかすれたりまぶたが重くなったりするけれど、これは交感神経がブロックされたことによる効果よ。症状は1~2時間で消えるから心配いらないわ。

 

治療効果の現れ方には個人差があるの。1回の注射で効果があらわれる人もいれば、30回の注射でやっと効果を実感する人もいるわ。

 

この治療は、ペインクリニックや麻酔科で行われることが多いわ。まずかかりつけのお医者さんに相談してみてね。

 

混合ガス療法

混合ガス治療法は、純酸素に5%の炭酸ガスを混ぜた混合ガスを吸入するの。すると、脳の血管が拡張されて、内耳の血流がよくなるわ。内耳の血流を良くすることで機能回復を図るの。吸入時間は30分で10日間続けて行うと、2~4週間後に効果があらわれるの。ただ、効果の現れ方には個人差があるわ。

 

心理療法

めまいや耳鳴り、難聴は精神的なストレスがきっかけで起こることが多いわ。症状がストレスを与えて精神的に不安定になるという悪循環を起こすこともあるわ。

 

心理療法では、「受容」「保証」「支持」の3つのキーワードが大切なの。お医者さんが患者さんの辛い気持ちを受け止める受容をし、治療を続けるときっとよくなると保証し、不安定な患者さんの気持ちに寄り添って支持する、といった治療を進めて行くの。

 

バイオフィードバック療法

耳鳴りはストレスととても関係があるの。ストレスによって筋肉の緊張が高くなると耳鳴りは大きくなって、それがさらにストレスとなって筋肉を緊張させるという悪循環を起こすの。

 

バイオフィードバック療法は、筋肉に電極を張って筋電図で筋肉の緊張をグラフ化したり、指先の温度変化を測定することで、筋肉の緊張を目に見える形で患者さんに示すの。どんな時に筋肉が緊張して、どうやったら緊張がほぐれるのか目で確認しながら訓練を続けると、心身の緊張を自分でコントロールできるようになるのよ。

 

認知行動療法

ストレスでめまいや耳鳴りを起こす人は、几帳面でまじめすぎる人や、完璧主義の人、せっかちでイライラしやすい人が多いの。性格傾向は生活面に影響を与えて、頑張りすぎて休養が取れない、気持ちにゆとりを持てないといったことに繋がってストレスを生み出してしまうの。

 

こういった背景には、「疲れたからと言って休養をとるのは怠けだ」といったような誤った考えや偏った考えがあるわ。認知行動療法は考え方のパターンを「疲れを休養で癒すのは仕事の効率を上げるために必要なこと」というように修正し、「週に一度は休養しよう」というように行動を適応的に変化させていく治療法なの。

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