こんにちは、Dr.komakoです。
「過換気症候群」「心臓神経症」「不整脈」「過敏症腸症候群」といった病名を聞いたことがある人は多いのではないかしら。これらの病気も実は自律神経失調症なのよ。自律神経の乱れが原因で起こっている症状だから、根本的な治療は自律神経の乱れを整えることなの。
「過換気症候群」「心臓神経症」など病名の付く自律神経失調症
特定な病名のつく自律神経失調症
自律神経はあらゆる器官に張り巡らされているわ。ある特定の臓器に強く自律神経失調症の症状が起こると、特定の病名が付けられることがあるの。
たとえば、「心臓神経症」。「心臓神経症」と聞いたら、「心臓の病気だ、循環器で治療しなければ」と思うわよね。病院でも、β遮断薬という心臓の働きを抑える薬が処方されるかもしれないわ。でも実は精神的な不調が原因になって自律神経が乱れて起こっている症状なの。β遮断薬で治すことはできないわ。
明らかな病名が付けられたからと言って、内科的な治療では自律神経失調症を完治させることはできないの。では、特定の病名がつく自律神経失調症ってどんなものがあるのか、見ていきましょう。
循環器系
起立失調症候群
座っている状態や、横になっている状態から急に立ち上がると、めまいや立ちくらみをおこすの。「起立性低血圧」とも呼ばれているわ。
自律神経はどんな姿勢をとったとしても、姿勢の変化がたとえ急激だったとしても、脳内に送られる血液量を一定に保つように働いているの。この働きが上手く行かなくなって起こる症状よ。
起立性調節障害
長い時間立ち続けていた時に、めまいや立ちくらみ、のぼせなどの症状を起こすことなの。小学校の時、朝礼で気分が悪くなったり、倒れたりした子を見たことがない?これも、起立性調節障害によるものよ。この症状をおこす人は寝起きが悪くて、午前中は不調を訴えることが多いわ。
心臓神経症
動悸や呼吸困難、急な心臓の痛みがおこるの。情緒障害による症状が一つの器官に限定的に現れる「器官神経症」の一つなのよ。自律神経の乱れによっておこる症状だけど、背景には精神的な問題が隠れているわ。
不整脈
脈拍は普通は1分間に60~80くらいのペースで一定に刻まれているはず。脈拍を一定に保つのも自律神経の働きなの。自律神経の乱れによって、脈拍が一時的に途切れたり、ペースが乱れたりするわ。
呼吸器系
過換気症候群
「過呼吸症候群」「過呼吸発作」とも呼ばれるわ。急に呼吸が苦しくなって、息がすえないような状況になって、呼吸が切迫するの。同時に胸が苦しくなったり、胸に痛みを感じたり、めまいや不安感を感じることがあるの。「死んでしまうかもしれない」と思う人もいるし、失神して救急車で運ばれることもあるわ。
過換気症候群で命を落とすことは絶対にないからまず安心してね。過換気症候群は不安や恐怖感など精神的なストレスや過労で誘発されるの。呼吸をコントロールしている自律神経の働きが一時的に乱れてしまうの。
消化器系
過敏性腸症候群
下痢と便秘、腹痛が繰り返し起こるような症状が3か月以上続くと「過敏性腸症候群」という病名が付けられるわ。電車の中とか、会議中とか、なぜかトイレにすぐにいけないようなときに症状が現れやすいのよね。
腸の働きをコントロールしている自律神経による症状の中でも、もっともよくみられる症状よ。
神経性嘔吐
身体の不調や食中毒など、特定の原因が無いのに、吐き気やおう吐を繰り返すの。引っ越しや結婚など環境が急激に変わった時におこりやすいわ。
胆道ジスキネジー
胆道ジスキネジーはお腹の上の方やお腹の右側に鋭い痛みが起こるの。「ジスキネジー」は「運動異常」という意味なの。自律神経のバランスが乱れることによって、胆道がけいれんして痛みが起こるのよ。
反復性臍せん痛
おへその周辺に急激な痛みが起こるの。繰り返し起こっては何事もなかったように症状が治まるわ。時には吐き気や頭痛を伴うの。症状が起こるのは決まって日中よ。几帳面な子供さんによく見られる症状なの。
神経系
片頭痛
頭の片側や両側が脈打つように痛むの。痛みは発作的に起こって吐き気やおう吐を伴うことがあるわ。自律神経の乱れによって頭痛に関連する血管が急激に収縮することで起こるの。
片頭痛については、こちらの記事をご覧ください。
緊張型頭痛
後頭部や首の後ろに慢性的に締め付けられるような痛みが起こるの。筋肉の緊張によっておこる頭痛よ。
緊張型頭痛について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
耳鼻科系
めまい
めまいはぐるぐると自分の周りがまわったり、自分がふらつくように感じるの。神経性のめまいや内耳が原因のめまいがあるけど、自律神経の乱れによってもめまいは起こるのよ。
メニエール病
メニエール病はめまいを起こす病気よ。耳鳴りや難聴を伴うこともあるわ。ストレスが発症の引き金になるの。
泌尿器系
夜尿症
4歳以上の子どもが繰り返しおねしょをしてしまうのは、自律神経の乱れによるものかもしれないわ。環境の変化から、急におねしょが増えた時は要注意よ。不安や緊張が続いているサインかもしれないわ。
膀胱神経症
膀胱に明らかな病気が無いのに、残尿感や頻尿、下腹部の不快感などのはっきりとした自覚症状がある時は、自律神経の乱れが原因かもしれないわ。
ただ、これらの身体の不調には命に関わるような病気や、内科的な病気が隠れていることがあるの。まずは内科の病院へ行って検査をしてもらってね。
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