こんにちは、Dr.komakoです。
高血圧自体には目立った症状はないわ。
ではどうして、高血圧を悪者扱いするのかしら?
答えは、高血圧が命に係わる重篤な合併症を引き起こすからよ。
高血圧は合併症が怖い!命に関わる高血圧の合併症とは
■高血圧と脳血管障害
脳血管障害というのは、脳の中の血管が詰まったり、破れて出血を起こすことを言うわ。
脳血管障害が起こると、その周りの脳の細胞に血液がいきわたらなくなって、死んでしまうの。脳は、身体を動かしたり、物事を考えたり判断したり、目で見たことや聞こえたことなどを感知して分析したり、言葉を理解して離したりなど、人間の活動全てをコントロールしているの。
もし、手を動かす脳細胞が死んでしまうと、手が動かしにくくなるわ。
呼吸を司る脳細胞が死ぬと、命を失うかもしれないわ。
脳血管障害は、命の危険にかかわるし、重大な後遺症が起こる可能性のある、恐ろしい病気なのよ。
脳血管障害は主に、脳出血と脳梗塞、くも膜下出血に分類されるわ。
血圧が高い状態が続くと、血管は高い圧力に負けないように血管の壁を厚くするわ。このような状態を、動脈硬化と呼ぶの。一見分厚くなると丈夫になっていいじゃないと思うでしょ?でも動脈硬化を起こすと血管自体はもろくなって、細い血管が破れやすくなるのよ。
血管が破れると、脳出血やくも膜下出血が起こって、広い範囲の脳細胞がダメージを受けるわ。また、壁が厚くなった分、血管の内側は細くなるの。細くなった血管は、コレステロールなど、ドロドロしたものががたまりやすくなるわ。
ドロドロした脂肪や血液が壁に引っ付くと、血栓という塊ができるの。何かの拍子に血栓がはがれて、血管の細くなったところでつまると、脳梗塞が起こるわ。
■高血圧と心疾患
高血圧になって、常に強い圧力で血液を送り出していると、心臓に負担がかかって、心臓が大きくなるの。この状態を、心肥大と呼ぶわ。心肥大を起こすと、心臓は固くなって、ポンプの機能が低下する心不全を引き起こしすわ。心不全は、命にかかわる恐ろしい病気よ。
動脈硬化で血管の内側が狭くなると、心臓の筋肉に送られる血液が不足して狭心症と呼ばれる状態になるわ。
血栓が心臓の血管に詰まると心筋梗塞を起こすの。心筋梗塞は死に至る非常に恐ろしい病気よ。
■高血圧と腎臓疾患
動脈硬化が腎臓の血管で起こると、腎機能が低下する腎障害・腎硬化症と呼ばれる状態になるわ。進行は遅いけど、放っておくと腎不全になって、人工透析が必要になったり、命に関わったりするわよ。
■高血圧と血管疾患
動脈硬化は血管を厚くするだけではなく、ところどころ薄くしてしまうことがあるの。大動脈の一部に薄い部分ができると、そこに血液がたまって瘤ができるわ。これを大動脈瘤と呼び、破裂すると大変危険なの。
また、分厚くなった血管の壁に血液が入り込むと解離性大動脈瘤という命に係わる合併症がおこるわ。
■高血圧と眼障害
網膜は眼の神経や血管が集まっているところよ。網膜にある毛細血管に動脈硬化が影響すると、高血圧性網膜症という病気を起こすわ。
高血圧性網膜症にかかると、視界に霧がかかったような状態になるわ。悪化して網膜剥離を起こすと失明する危険があるの。幸い、最近は高血圧の治療を受けていて網膜剥離まで進行することはごくまれになってきたわ。
関連記事