こんにちは、Dr.komakoです。
高血圧と診断されると、まず食事療法と運動療法、生活習慣の改善を一定期間おこなうわ。
それでも最高血圧が140㎜Hg以下に血圧が下がらない場合は、降圧剤という、血圧を下げるお薬による薬物療法が必要になるわ。
どんな種類の臆するがあって、どんな副作用があるのかしら?
■カルシウム拮抗薬
血管はカルシウムが血管に流れ込むことによって収縮するの。
カルシウム拮抗剤は血管の細胞のカルシウムを取り込む通り道をふさぐことによって、血管の収縮を抑えて、血圧を下げるわ。
■アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬
アンジオテンシンⅡという物質は、受容体という細胞にある受け皿と結合することによって血管を収縮させ、血圧を上げるの。
アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬は、アンジオテンシンⅡが受容体と結合するのを邪魔して血管をひろげ、血圧を下げるの。アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬はARBとも呼ばれているわ。
■ACE阻害薬
アンジオテンシンⅡは血管を広げ、血液の量を増やして血圧を高くする役割がありるの。アンジオテンシンⅡはアンジオテンシン変換酵素(ACE)とアンジオテンシンⅠが結びつくことによって作られているの。
ACE阻害薬は、ACEの働きを阻害し、アンジオテンシンⅡが作られないようにして血圧を下げるのよ。
■利尿薬
血圧は、血管内の水分量が増え、血液量が増えることによって高くなるわ。
利尿薬は腎臓に働きかけ、ナトリウムの排出を促すの。ナトリウムは水分と結びつきやすいから、おしっこの量が増え、血液中の余分な水分が排出されて血圧を下げるわ。
■β遮断薬
ノルアドレナリンがβ受容体に結合すると、交感神経の興奮が心臓に伝わり、血圧が上がるの。
β遮断薬はあらかじめβ受容体と結合し、ノルアドレナリンがβ受容体と結合することを防ぎ、血圧を上昇させる交感神経の働きを心臓に伝えないようにして血圧を下げるわ。
■α遮断薬
交感神経の伝達物質はα受容体と結合することによって血管を収縮さているの。α遮断薬はあらかじめα受容体と結合して、交感神経の伝達物質がα受容体と結合することを邪魔して血圧を下げるわ。
■降圧剤の副作用
降圧剤には副作用があるわ。
- カルシウム拮抗薬:むくみ
- アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬:高カリウム血症
- ACE阻害薬:咳
- 利尿薬:高尿酸血症、糖尿病・腎障害・脂質代謝異常の悪化
- β遮断薬:除脈、気管支ぜんそく・糖尿病・脂質代謝異常の悪化
- α遮断薬:たちくらみ
副作用が現れたら、かかりつけのお医者さんに相談してね。かってにお薬をやめたり、減らしたりしてはいけないわよ。
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