こんにちは、Dr.komakoです。
閉経後の女性は、高血圧やすいわ。
高血圧自体にとくに辛い症状はないけれど、脳や心臓の病気を引き起こす可能性があるから、ほったらかしにはできないわ。
高血圧の治療には、運動療法がかかせないわ。
あなたの体に適した強さの運動を生活に取り入れたら、血圧はきっと下がっていくわ。
食事療法と運動療法、生活習慣の改善で血圧が下がれば、血圧を下げるお薬を飲む必要もないわ。
高血圧の運動療法 効果のメカニズムと運動療法の進め方
■運動をするとなぜ血圧が下がるの?
運動すると血圧が下がるのはなぜかしら。
まず、交感神経の働きが運動することによって変わってくるわ。
交感神経は、心拍数をあげたり、血管を収縮させる働きがあるの。緊張しているときや、興奮しているときは、心臓がどきどきして、血圧も高くなっているでしょう?交感神経が強く働いている状態は、極端に言えばそんな状態よ。
運動を行うと交感神経の働きが穏やかになるの。すると心拍数が減少し、末梢血管が広がっていくわ。
また、筋肉を動かすことによって筋肉内の酵素が活性化して、血液中の糖が細胞や筋肉に取り入れられやすくなるの。運動すると血液中のコレステロールも少なくなるわ。すると、血液がサラサラになって、血管の中を流れやすくなるの。
広くなった血管の中を、血液がサラサラ流れて行ったら、余分な圧力をかける必要がなくなるわ。このような効果があらわれるから、運動すると血圧が下がるのよ。
運動すると、安静時の血圧は最高血圧で8~18㎜Hg、最低血圧で5~16㎜Hg下がるといわれているわ。
それともう一つ。
肥満体型の人はは高血圧になりやすいの。肥満体型の人に、適度な運動習慣が身について体重がへったら、それだけで血圧を下げる効果が期待できるわ。
■血圧を下げるのにおすすめの運動は?
では、どんな運動を行ったらいいのかしら?
血圧を下げる効果が高くて、身体への負担が小さく続けやすい運動は、全身の筋肉を緩やかに使う有酸素運動よ。
有酸素運動っていうのは、負荷が軽く動きが比較的ゆっくりで足を使用する運動のことよ。
代表的な運動は、ウォーキング、軽いジョギング、サイクリング、水泳、ヨガ、太極拳などね。
ウォーキングは、通勤で一駅分あるいたり、いつも車で行く買い物に歩いて行ったりと、生活習慣に取り入れやすいし、怪我の心配が無いからおすすめよ。
高血圧に更年期障害の症状も一緒に現れているような人は、ヨガのリラックス効果が体と心の健康を支えてくれるわ。
太極拳は、足腰をとても強くしてくれるから、転びにくい身体にしてくれるわ。閉経後は骨粗鬆症になりやすくて、骨折をしやすくなっているの。転ばない足腰を作るって、高齢になればなるほど大切なことよ。
運動は、続けることが大切なの。
通勤や買い物のついでにウォーキングするみたいに、生活のスケジュールに上手に組み入れることができる人は、ぜひ実行してみて。
スポーツジムに行くとか、ヨガ教室に通うといった、新しい趣味として始めたほうが続けられるっていう人もいるわ。
自分に合った運動習慣を見つけてね。
■血圧を下げるために必要な運動量ってどれくらい?
では、どれくらいの強さの運動をどれくらいの量行えばいいのかしら?
高血圧に効果的な運動の強さは、心拍数が60~65%増えるくらいよ。標準的な心拍数の人で、110~120くらい。軽く息が上がるくらいがいいわ。強すぎる運動は、かえって効果が低くなるのよ。
これくらいの運動をカロリーに換算すると、一時間に200~300kcal消費できるわ。
これくらいの強度の運動を1回につき10分以上、20分くらいを目安に、1日2~3回行うといいわ。
ただし、運動強度に関しては、個人差があるわ。運動習慣のない人や体力のない人は、心拍数の上昇が20~30%程度の軽めの運動からはじめて、少しずつ体をならして行ってね。
■運動療法のリスクは?
運動療法を始めるまえに、かかりつけお医者さんにまず相談してね。血圧の状態や合併症によっては、運動を行うことが危険な場合があるの。
次のような人は運動療法を行うことができません。
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