こんにちは、Dr.komakoです。
アトピー性皮膚炎を漢方薬だけで治療するのはお勧めできないけど、補助的に漢方薬の力を借りるのはとても効果的な治療法だと思うわ。漢方薬は炎症やかゆみなど一部の症状を改善するのではなく、炎症やかゆみを引き起こしている体全体の不調を改善するお薬なの。保湿やステロイド剤などの薬物療法に加えて身体の不調を整える漢方薬を使うと症状を早く落ち着かせることができるわ。
アトピー性皮膚炎に効果のある漢方薬
漢方薬の効果
病院で処方されるお薬は西洋医学の考え方によって作られているお薬なの。アトピー性皮膚炎のお薬では、ステロイド外用薬は炎症を鎮めて肌が正常な状態に戻るのを助けてくれるわ。ステロイド外用薬は科学的な根拠に基づいて開発された安全でとても効果的なお薬で、炎症を起こしている場所にピンポイントで効果を発揮するわ。
漢方薬というのは、身体は全て繋がっていて、不調は血や気のめぐりが悪いなど体全体のバランスが狂っているためにおこっているという考え方なの。身体全体の不調を整えることによって、皮膚の炎症を抑えることができわ。
ただ、アトピー性皮膚炎を起こしているアレルギー体質などの根本的な体質を改善することはできないわ。アトピー性皮膚炎の治療はやはり、ステロイド外用薬で炎症を鎮め、保湿で足りない肌バリア機能を補い、肌本来の健康的な機能を果たせるような治療を行う必要があるわ。漢方薬は、原因や悪化因子である身体の不調を改善する為に効果を発揮するものだと考えていいわ。
漢方薬は効き目が穏やかで副作用が少ないという印象を持っていると思うけれど、薬である以上、副作用は必ずあるの。薬が効くかどうかは、その人の体質によっても変わってくるわ。同じような皮膚症状でも、人によって効果が出る人とでない人がいるの。漢方薬の服用するときははかかりつけの皮膚科のお医者さんと相談してね。
補中益気湯（ほちゅうえっきとう）
漢方薬は同じ症状を持った患者さんでも、体質や体型によって処方される薬が変わってくるの。だから、「一定の条件のもとで一定の治療を行ってどれくらいの効果があったか」という臨床試験データを持っているお薬は少ないの。
補中益気湯は漢方薬の中でもアトピー性皮膚炎に効果があるという臨床データを持っているお薬よ。補中益気湯を飲んでいると、ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬の使用回数が減少するというデータがあるの。
補中益気湯は胃腸の不調を整えて体力を回復させて元気を取り戻す効果のある漢方薬よ。
十味敗毒湯（じゅうみはいどくとう）
皮膚の治療に使われる漢方薬なの。特に、化膿している症状に効果を発揮するわ。皮膚の血行を良くし、炎症を抑える効果があるの。
十味敗毒湯は、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、ニキビに効果があるお薬よ。
柴胡清肝湯（さいこせいかんとう）
柴胡清肝湯は炎症を抑え、血行を良くする働きがあるの。それに加えて、気持ちの高ぶりを心と体の調子を整えてくれるわ。ストレスでアトピー性皮膚炎の症状が悪化しやすい人には効果的なお薬ね。
漢方薬には「腺病質」という言葉があるの。首のリンパ節が腫れやすい、虚弱体質、神経質などのいわゆる虚弱児を表す言葉なの。あまり良い例えでは泣けれど、つまり感染症に弱い子供にも効果があるととらえていいわ。このお薬は、子供に使われることが多いの。
食欲不振など、胃腸が弱っている症状がある人は、服用を控えてね。
消風散（しょうふうさん）
消風散の「風」とは、漢方では皮膚に出る症状の事を表しているの。この「風」を消し去る効果のあるお薬よ。皮膚がジュクジュクしていて炎症やかゆみのつ様い状態を改善する効果があるの。また、皮膚症状を起こしやすい体質を改善する効果も高いわ。
消風散も、胃腸が弱っている人は服用を控えてね。
柴朴湯（さいぼくとう）
柴朴湯はぜんそくによく使われる漢方薬なの。身体の免疫機能を調整して炎症を鎮め、心と体の調子を整えてくれるわ。アトピー素因というアレルギー体質の人の効果を発揮するお薬よ。精神的なストレスで症状が悪化する人にも効果があるわ。
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