こんにちは、Dr.komakoです。
アトピー性皮膚炎の治療では、病気の原因を治療するのではなく、症状に対する治療を行う「対症療法」が中心になるわ。保湿・薬・環境の3つが治療の柱になるのよ。
アトピー性皮膚炎の治療の進め方
アトピー性皮膚炎の治療のとらえ方
アトピー性皮膚炎の患者さんの8割はアトピー性素因というアレルギー体質なの。アレルギー体質を改善するのは、残念ながらとても難しいわ。それに、アレルギー反応だけがアトピー性皮膚炎の原因ではないの。
アトピー性皮膚炎は体質的に肌のバリア機能が低下している人が埃や汗などの刺激を受けて皮膚に炎症をおこしているの。だから、かゆみや炎症を抑えながら弱いバリア機能を補ってあげるという「対処療法」を行うことが、症状を改善する一番効果的で手っ取り早い方法なの。
アトピー性素因について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
アトピー性皮膚炎の保湿の重要性
アトピー性皮膚炎の患者さんは、肌のバリア機能が低下しているの。肌のバリア機能を正常に保つためには、肌の乾燥を防いで保湿してあげることが大切よ。
肌の角質層は角質細胞が並んでいて、その間をセラミドがみたしているんだけど、アトピー性皮膚炎の人はセラミドの量が少ないの。セラミドを補って角質層を正常な状態にしてあげると、肌のバリア機能が正常に働くことによって汗やほこりなどの刺激をはねのけることができるようになるわ。
アトピー性皮膚炎の保湿について詳しくはこちらの記事に書いています。
アトピー性皮膚炎とステロイド外用薬
アトピー性皮膚炎の治療ではステロイド外用薬を使うわ。ステロイド外用薬には作用が強いものから弱いものまで5つのクラスに分かれているの。そのクラスの中でもいろいろな種類の薬があって少しずつ作用の仕方がかわってくるわ。薬のタイプも軟膏・クリーム・ローションの3つの種類があるの。
ステロイド外用薬は、ずっと同じものを使い続けるのではなくて、症状の重症度や皮膚の状態、効果の出方によって使う薬をどんどん変えて行く必要があるわ。薬の塗り方にもコツがあって、皮膚の状態で変えて行く必要があるの。
ステロイド外用薬の種類はこちらの記事に詳しく書いています。
ステロイドと聞くと、副作用が心配という声はよく聞くわ。でも、正しい使用方法で使い続けていれば、副作用が起こることはまずないと考えていていいわ。ステロイド外用薬はアトピー性皮膚炎にはとても効果があるお薬よ。症状が治ったからと言って急に使用をやめたり、使わないで治そうとしたりしないで、お医者さんの指導を受けながら適切に使ってね。
ステロイド外用薬の副作用についてはこちらの記事をどうぞ。
アトピー性皮膚炎を改善する環境
アトピー性皮膚炎の環境を整えるというのは特定のアレルゲンを除去するという意味ではないの。アトピー性皮膚炎の治療の中に「転地療法」というものがあるの。今いる環境から郊外など違う環境に住んでいる場所を変えるだけでアトピー性皮膚炎が改善するということは、確かにあるの。それくらい、アトピー性皮膚炎は環境の影響を受けるの。この場合の環境というのは、ストレスや生活習慣の事よ。規則正しい生活習慣を送ってストレスと上手に付き合うことが、アトピー性皮膚炎の治療にはとても大切なことなの。
アトピー性皮膚炎の治療と環境についての記事はこちらです。
アトピー性皮膚炎の飲み薬
成人のアトピー性皮膚炎は治療効果が上がりにくいことがあるの。保湿やステロイド外用薬で効果が出ないときは、ステロイド薬や免疫抑制剤などの内服薬を飲むこともあるわ。アトピー性皮膚炎で使われる飲み薬には次のような種類があるわ。
- ステロイド剤
- 抗ヒスタミン薬
- 抗アレルギー薬
- 免疫抑制剤
- 漢方薬
アトピー性皮膚炎の内服薬についてはこちらをご覧ください。
アトピー性皮膚炎の紫外線療法
ステロイド外用薬が効きにくい、最重症の患者さんには、紫外線療法という治療方法を勧められるわ。紫外線には免疫を抑制し、炎症を抑え、細菌感染を抑制する効果があるの。紫外線のそういった効果を利用する治療方法なの。
アトピー性皮膚炎の紫外線療法についてはこちらに詳しく書いています。
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