こんにちは、Dr.komakoです。
家族がアルコール依存症になったら、家族全体がアルコールの問題に巻き込まれて、家族の関係が歪んだ形になって行くわ。
家族がアルコール依存症になったら アルコール依存症家庭の特徴
健全な家庭の家族トライアングルとは？
家族は、親と子供で作る一つの小さな社会よ。家族といえども、それぞれある程度は気を使い家族という関係をよくするように、バランスを保つように努力しているわ。
家族の基本は、両親の二者関係よ。
１対１の関係は、とてもバランスを取るのが難しいの。やじろべえのように、お互いの役割や感情や主張のなかで、揺れ動いているわ。これに、子供という関係が加わると、トライアングルの関係ができて安定するの。
通常の家庭では、子供の成長によって、トライアングルのバランスはだんだんと変わっていくものなの。
子供がまだ乳幼児の時は、母と子の関係がとても強くて、子供と父親の関係は薄いトライアングルが出来上がっているわ。子供が成長するにつれて、父親が子供に与える影響は大きくなって行って、関係も深まっていくわ。
思春期頃になると、子供は自分の世界を持つようになって、やがて親子の密接なトライアングルから卒業していくわ。
アルコール依存症家庭の家族トライアングルとは？
アルコール依存症家庭の家族関係は、通常の家族のように、トライアングルのバランスが変わるということが無くて、いつまでたっても子供が乳幼児期のトライアングルのまま経過するのが特徴なの。
父親がアルコール依存症の家庭だとすると、母親は父親との二者関係は情緒的な交流のないとても希薄なものになっているわ。その分、子供と母親との関係は密接になっているの。父親の存在や力関係は弱体化しているから、子供と父親との関係はいつまでたっても深まって行かないわ。
子供が成長していく過程で、父親の存在はどんどん弱体化していくわ。子供は母親を助ける役割を担うことで、母親との関係がどんどん深まっていくの。その結果、大人になっても家族のトライアングルから卒業することが難しくなって行くわ。
アルコール依存症家庭の世代境界線の特徴
通常の家族では、夫婦喧嘩を子供に見せないようにしたり、お金の問題のような、子供に知らせたくない問題を子供に伏せたりするものよ。子供たちも、自分が学校であったことや友達と喧嘩したこと、好きな子の事を、すべて包み隠さずに親に話すようなことはしないわ。
兄弟同士で親に対する愚痴をこぼしても親に直接は伝えないとか、親には相談しないけど、お姉ちゃんには好きな人の相談をするとか、兄弟でしか分かち合わない事もあるわよね。
こういう、親世代・子供世代で自然に区分けされることを、世代境界線というの。
アルコール依存症家庭では、世代境界線が全く機能していないの。
親は、アルコールにまつわる問題の愚痴を、子供に話してしまうことが多いわ。親世代の問題は、子供に筒抜けになって、子供は親同士の問題に介入していくわ。親と共同してアルコールを隠したり、時には離婚を勧めたりね。
子供が成長するにしたがって、親は子供に頼るようになって行くわ。親と子供は、まるで夫婦のように強い二者関係を築いていくの。これは、子供が家族トライアングルから卒業できない原因にもなるわ。
アルコール依存症がいる家庭では、家族の関係はいびつになって、複雑に網の目のように絡まり合っているわ。
実は、このいびつな家族関係が、アルコール依存症の治療を妨げる原因にもなっているのよ。
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