こんにちは、Dr.komakoです。
お酒を飲んで楽しい気持ちになるのは、決して悪いことではないわ。
でも、「お酒に酔う」という行動に、アルコール依存症の原因が隠されていることを知ってほしいの。
アルコール依存症と性格 酒におぼれる心理状態とは
アルコール依存症と幼児的性格
お酒に酔うと、しらふでいる時よりも、感情をオーバーに感じるわ。楽しい気持ちや嬉しい気持ちが強く感じるから、お酒の席では盛り上がれるのよね。
お酒に酔うと、自分の能力も現実よりも大きくなったように感じるわ。何でもできるような気持になって、つい大口をたたいてしまった経験はない?
お酒に酔うと、人見知りの人でも社交的になってよくしゃべるようになったり、知らない人とでも意気投合できるような場面を見かけたことは無い?
こういった感覚を「自己拡大」「万能感」「自己中心性」と呼ぶの。
これは、実はとても子供っぽい感覚でもあるのよ。「酔い」は人を子供返りさせるのね。
幼児的で、自己中心的な人との繋がりを、楽で心地いいと感じている人は、お酒の席での人との交流をとても楽しいと感じるわ。
出来れば毎日、お酒を飲んで楽しくなりたいと思うかもしれないわね。
アルコール依存症と依存的性格
アルコール依存症の人は、人にもたれかかりたいという欲求が強い人が多いわ。
人に頼る傾向が強い人を「依存的性格」と呼ぶわ。
でも、社会生活を送るうえで、ひとに頼ってばかりの行動は、なかなか認められないわ。人に頼りたいという欲求は否定されがちで、傷つくことも多いわ。
依存的性格の人は、傷つきながら生きていることが多いの。
当然、傷だらけのままでは生きて行くことができないわ。お酒に酔うと、そういった辛い現実から目を背けることができるわ。だからお酒に酔いたくなるし、お酒のない現実に不安を覚えて断酒に踏み切れないの。
アルコール依存症とお母さんとの関係
そもそも、依存的な性格は、母子分離と言って、お母さんから上手く自立できなかったときに生まれる性格傾向なの。
誰でも、赤ちゃんの時は自分の生命活動を含めてすべてをお母さんの手にゆだねて頼り切っているわ。生長するにつれ、自我が芽生え、少しずつ外界との交流を持ちながら生長し、自分の世界を広げて行って、母親から自立していくわ。
この生長過程で、母親が過保護であったり、逆に十分な愛情を注げなかったり、早くから自立を促したりすると、自立欲求と依存欲求が十分に満たされないまま大人になるの。
充分に甘えられなかった人は、お酒を飲んで幼児的な行動をとることで満たされなかった依存欲求を満たそうとしているわ。でも、現実の社会では、幼児的な言動や依存欲求は否定されることが多くて、傷ついてしまうわ。そしてまた、お酒を飲んで自分の心の傷を否認し、依存欲求を満たしていくの。
アルコール依存症には、このような心理状態が隠されているといわれているわ。
ただ、誤解しないでほしいのは、アルコール依存症がお母さんの育て方の失敗の結果ではないという事よ。
人間は万能ではないから、お母さんが子育てをするうえで、子供の欲求をすべて満たし、絶妙なさじ加減で抱きしめている手を緩めて子供を自立させるなんて、不可能だわ。
誰でも、認められたいという依存欲求や、受け止めてほしい幼児的な部分を持っているはずだわ。
だから誰でもアルコール依存症になる可能性はあるのよ。
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