こんにちは、Dr.komakoです。
アルコール依存症は、依存症になった本人を取り巻く周囲の人が巻き込まれ、影響を受けて行くことが多いの。
病気が進むと、次第に健康なときに築きあげたものを失っていくことになるわ。
アルコール依存症の社会関連障害 家族や社会に与える影響とは
アルコール依存症が家族に与える影響
経済的困窮
家族の誰かがアルコール依存症になると、まず起こってくるのが経済的な問題よ。アルコール依存症になったのが、一家の大黒柱で、収入を支える人だったら、とても深刻な問題が起こるわ。
初めのうちは、会社に行って仕事をしているけれど、家計の中のお酒の割合が多くて、経済的な余裕が無くなって行くわ。家計の中の、どの項目よりもお酒を買うことが一番優先されてしまうからよ。
病気が進んで働くことが困難になったら、経済的な困窮はもっと深刻になって行くわ。
役割の移動
アルコール依存症の人は、家族で果たすべき役割をアルコールにおぼれる生活を送るために果たせなくなって行くわ。
父親であれば、暇さえあれば飲んだくれている姿に父親の威厳を見いだせなくなるし、仕事に影響が出てくると、一家の大黒柱としての役割を果たせなくなるわ。
こうなると、母親が夫の代わりに仕事に出て、収入を得る役割を交代することになるわ。近所や世間体が気になるから、夫が地域で果たすべき役割があったとしても妻が代わりに果たすようになって行くわ。そのうちに妻が一家の大黒柱となって、家族のすべての事を切り盛りするようになるの。
アルコール依存症が母親だったとしたら、アルコールのせいで不十分になった育児や家事を夫が行うようになるわ。学校や近所とのつながりも、夫が仕事と掛け持ちして果たすようになるわ。
こうやって、アルコール依存症の人の家族での役割をほかの家族が肩代わりしていくと、アルコール依存症の人が家にいなくても全く困らない状態になって行くの。
子供への影響
アルコール依存症の親を持つ子供は、親から一貫した愛情を与えられないことが多いわ。
アルコール依存症の親は、飲んでいるときは自己中心的で、理不尽なふるまいをするわ。アルコール依存症ではない親は、アルコール依存症の配偶者の飲酒や態度を見張ることに気力を使い果たして、イライラして子供に当たることが多くなるわ。子供に一貫した注意を払うことができないし、できないことに負い目を感じて必要でない時にご褒美を与えたりすることがあるわ。
子供はアルコールの問題を抱えている家庭の中で、一生懸命自分の役割を果たそうとするわ。道化を演じて家族を明るくしようとしたり、二つの役割を引き受けて苦労している親の手伝いを積極的にしたりね。
でも不安定な状態で育った子供には、成長していく過程で様々な問題が現れてくることが多いわ。
アルコール依存症の社会的信用の消失
職場での問題
アルコール依存症が進行していくと、職場でもお酒の問題が露呈してくるわ。
二日酔いでお酒の匂いをさせてくるとか、離脱症状で仕事の効率が悪くなるとか、遅刻や欠席、体調不良を訴えることが増えるとかね。
アルコールの身体障害で入院をすることになると、長期間の休暇を取ることになるわ。
職場での立場がだんだんと悪くなって、いずれ退職に追い込まれることになるわ。
そして、新しい職場を探しても、お酒の問題は断酒をしない限りついて回って、長続きしないわ。
友人の消失
お酒を飲んで友達に迷惑をかけることが増えてくると、だんだんと友達も離れて行くわ。新しく友人関係を持つことができても、続くのは同じようなお酒に問題を抱えた人になって行くわ。そしてお互いにお酒について都合の良い解釈や慰めをしあい、アルコールの問題を否認する手助けをしあうようになるわ。
道徳観念の消失
アルコールを長期間飲んでいると、脳が萎縮してくるわ。理性を司る前頭葉が萎縮すると、道徳観念が失われていくの。
飲酒の欲求をかなえることだけを目的に行動を起こすようになるわ。そのうちに飲酒運転、万引き、窃盗など、犯罪行為を犯すことようになることがあるわ。
社会での役割の喪失
家族内での役割を失い、仕事を失い、友人を失うと、社会とのつながりがどんどん失われていくわ。アルコール依存症の人の中には、家さえも失って、ホームレスになり、一人さびしく亡くなって行く人もいるわ。
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