こんにちは、Dr.komakoです。
インフルエンザの治療は、安静、睡眠、水分補給が大切よ。部屋の湿度や温度を保ち、定期的な換気を行うことも重要ね。インフルエンザにかかったと思ったら、病院を受診し、治療に必要な薬を処方してもらいましょう。
インフルエンザの治療
安静と睡眠
インフルエンザの治療は、インフルエンザウイルスと自分の体の免疫機能との戦いよ。インフルエンザ治療薬はインフルエンザウイルスを消し去ってくれるわけではないの。あくまでも、インフルエンザを治すのは自分の免疫機能よ。
体温ががると、白血球の働きがよくなるの。それに、インフルエンザウイルスは低温の方が活発に働くわ。高温の環境は、免疫機能には条件の良い環境なの。
熱が出るのは、インフルエンザウイルスから身体を守る反応よ。体温は、視床下部がコントロールしているの。感染症にかかると、視床下部はいつもよりも高い温度に体温を設定するわ。
視床下部によって体温が高い温度に再設定されると、血液は身体の表面から内側に集まるようになって熱が外に逃げるのを防ぐの。熱が出る前に、寒気がして体が震えるのを経験したことは無い?これは、筋肉をけいれんさせて熱をあげるための反応よ。こうやって温度が上がった血液が視床下部に届くと、一定期間その体温を維持されるわ。
しばらくたって、視床下部が平熱へと体温設定を再設定すると、汗をかいたり血液が皮膚表面に循環するようにして体温を下げるわ。
水分補給
インフルエンザに感染すると、38度以上の発熱が起こるわ。発熱すると、身体は大量の汗をかいて体から水分が失われていくの。
私たちは普段、飲み物から1200ml、食事から1000mlの水分を接種しているの。インフルエンザに感染した時は、食欲も落ちてしまうから、食事からの水分摂取量も少なくなってしまうわ。
インフルエンザの治療中は脱水症状を起こす危険性が高くなるの。だからと言って水だけを大量に飲んでしまうと、電解質のバランスが狂ってしまうわ。汗にはナトリウムが含まれているわ。体から大量のナトリウムが出て行った時に、水を大量に飲むと体液が薄くなってしまうの。すると、体液を一定に保とうとしておしっこの量が増える利尿作用が起こるわ。汗に加えて尿の量が増えるとさらに脱水症状の危険性が高まってしまうのよ。
インフルエンザに感染しているときには、水ではなく経口保水液で水分補給を行いましょう。最近はOS-1という名前でドラックストアで売っているわ。
ポカリスエットやアクエリアスよりも体液に近いの。ポカリスエットやアクエリアスはどちらかというと汗に近い成分なの。だから、健康な人が汗をたくさんかいた時の水分補給に効果的よ。
脱水症状が心配されるときはより体液に近いOS-1がお勧めね。OS-1は健康な人が飲むとしょっぱいような、飲みにくいような味ね。でも、脱水症状が起こっているときは、おいしく感じるのよ。
インフルエンザの薬を飲む
インフルエンザにかかったら、48時間以内に病院に行ってインフルエンザに効くお薬をもらいましょう。
インフルエンザの治療薬は、インフルエンザのウイルスの増殖を抑えてくれるの。つまり、敵の兵士の数を減らしてくれるのね。敵の数が少ない方が、免疫機能は早く勝利をつかめるわ。インフルエンザの治療薬を飲むと、熱が出ている期間を短縮して、早く症状が回復するのよ。
インフルエンザ治療薬と一緒にロキソニンが処方されることがあると思うの。これは、高熱が続いて体力が消耗するのを防ぐための解熱剤よ。ロキソニンよりもボルタレンの方が作用が強いから、手持ちのボルタレンを飲もうなんて考えてはいけないわよ。ボルタレンはインフルエンザ脳症を悪化させるという報告があるの。
インフルエンザの熱を下げるために、市販の解熱剤を使ってはいけないわ。特に乳幼児にアスピリン系の解熱剤を使うと、ライ症候群という脳症の原因になるの。
熱を冷やす
インフルエンザにかかると、38度以上の高温が2~3日続くわ。高熱の状態が続くと体力を消耗して2次感染の危険性が高くなるし、脱水も起こしやすくなるわ。高熱が続いているときは、体を冷やしましょう。
でも、熱を冷やすのはタイミングが大切よ。熱が出るのは免疫機能にとって有利な環境をつくるための身体の防御反応なの。悪寒や身体の冷えを感じる時は毛布を一枚足したり、温かい素材のパジャマを着て体温を上げる手伝いをしてあげたほうがいいわ。
熱が上がって汗をかきはじめたら、身体が体温を下げようとしているの。この時に体を冷やして体温を下げる手伝いをしてあげて。
熱を冷やすと聞くと、冷えピタをおでこに貼るというイメージを持っている人が多いと思うけど、実はおでこを冷やすのはあんまり効果的な方法ではないの。熱を冷やすためには、リンパ節の周囲を冷やす必要があるわ。首の周りはリンパが集まっているから、氷枕を使うのは効果的な冷やし方よ。枕タイプのアイスノンは発熱時のおすすめアイテムね。
湿度と温度を整える
インフルエンザの患者さんが家族に一人いたら、家族みんなにうつってしまうわ。小さなお子さんや高齢者、受験生がいるお宅は気が気ではないでしょう。
インフルエンザを他の人にうつさないためには、過湿がとても大切よ。空気が乾燥していたら、患者さんの周りには、インフルエンザウイルスがうようよ飛び回ってしまうわ。インフルエンザの患者さんがいる時は、湿度はいつもよりも高め、60%~70%を目指して加湿して。
湿度をあげておくと、インフルエンザウイルスは重たくなって地面に落ちて壊れてしまうの。過湿について詳しいことは、次の記事を読んでね。
インフルエンザの治療中の患者さんがいる部屋は、暑すぎず寒すぎず、布団を着ていて心地よいくらいの温度を保ってね。だいたい、18度~20度よ。
充分に換気をする
インフルエンザの治療中の患者さんからは、インフルエンザウイルスがどんどん排出されているの。室内のインフルエンザ濃度はとても高くて、感染の危険性がいっぱいよ。
インフルエンザが流行するのは冬で、できれば部屋の窓をあけたくないところだけど、1時間に一度、5分程度窓を開けて換気をして、部屋のインフルエンザウイルス濃度を下げましょう。
うがいをする
うがいは、上気道にいるインフルエンザウイルスを外に出す働きがあるの。病院では、イソジンなどのうがい薬が処方されると思うから、定期的にうがいをしてね。うがいをすると喉の湿度も保たれるから、気管支の症状も楽になるわよ。
入浴はしない
インフルエンザの治療中は、お風呂に入ってはいけないわよ。入浴は体力を消耗するの。インフルエンザの治療は体力が勝負よ。お風呂は熱が下がるまで我慢してね。汗をかくので、着替えはマメにして、時々体をふくと気持ちがいいわ。髪がべたべたして気持ちが悪い時は、洗い流さないシャンプーを使うのも良い方法ね。
普段の生活に戻るのはいつ?
インフルエンザの熱が下がっても、インフルエンザウイルスはまだ体に残っていて、ヒトに感染させてしまう可能性があるの。インフルエンザにかかると重症化してしまう可能性の高い人のためにも、インフルエンザウイルスを人にうつさないようにしてほしいの。
インフルエンザの治療が終わって、普通の生活に戻るのは、インフルエンザの症状が出てから5日後か、熱が下がってから2日後よ。それまでは、外出はせず、安静に過ごしていてね。
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