タバコを吸うと認知症のリスクが上がるのか?下がるのか?
こんにちは、Dr.komakoです。
タバコを吸うとアルツハイマー型認知症や、パーキンソン病にかかりにくくなるという発表が以前あったの。一次は医者の中でも、「アルツハイマーやパーキンソンになりたくないからタバコ吸ってるんだよ。」と喫煙の言い訳をしている人がいたわ。でも、タバコを吸うと認知症のリスクが下がるなんて、そんなことがあり得るのかしら?
喫煙はパーキンソン病の認知症発症を予防する?
パーキンソン病は、脳のドーパミンを生産する細胞が変性する病気なの。中年以降に発症して、身体が動きにくくなったり、震えたり、歩けなくなったりするの。うつ病や認知症も合併する、進行性の病気よ。
パーキンソン病に合併する認知症を、ニコチンが予防する効果があると発表されたことがあるの。喫煙者はパーキンソン病での死亡者が少ないというデータがあったからよ。
でもね、パーキンソン病になる人には、一定の性格傾向があることが分かっているの。
- 小心
- 内向的
- 責任感が強い
- 完璧主義
- 予算尊重的傾向
こういった性格傾向のせいで、パーキンソン病患者さんはもともと喫煙者が少ないのではないかと考えれらるわ。
研究をさらに進めて行ったところ、パーキンソン病患者さんの中で、今はやめたけれど過去にタバコを吸っていた人はタバコを全く吸っていない人よりも1.9倍、現在も煙草を吸い続けている人は4.5倍認知症を発症していることが分かっているわ。
喫煙はアルツハイマー病を予防する?
アルツハイマー型認知症は、脳に神経原線維変化や老人斑があらわれる病気で、記憶障害などが起こり日常生活が一人で行えなくなって行く進行性の病気なの。
ニコチンがアルツハイマー型認知症を予防するという説があって、金さん銀さんも「認知症予防のために」タバコを吸っていたそうよ。
ニコチンは、ニコチン性アセチルコリンという、神経伝達物質の受け皿を刺激するから、アルツハイマー型認知症を予防すると考えられていたの。
でも、研究を進めて行くと、どうやらニコチンはアルツハイマー型認知症の発症リスクを1.75倍も増やしてしまうことが分かったわ。
タバコを吸うと、細胞が酸化してしまうの。脳の細胞も酸化のダメージを免れないわ。酸化ストレスによって脳細胞に炎症が起こり、脳の変性を促進してしまうのよ。
それに、ニコチンはニコチン性アセチルコリンの感受性を弱めてしまう可能性もあるみたいなのよ。
喫煙と脳血管型認知症の関係は?
タバコを吸うと、悪玉コレステロールが増えて動脈硬化をおこしやすくなるの。そして、血液自体もドロドロになって血栓ができやすくなるわ。その上、血圧も高くなるの。
弾力を無くしてもろくなった血管に、高い圧力でドロドロの血液を流していると、どうなるかしら。
血管にできた血栓が圧力によって流されて、脳の血管のどこかでつまってしまうかもしれないわね。
脳の血管が詰まった状態を、脳梗塞というの。脳梗塞になると、脳血管型認知症を発症する可能性が高くなるわ。
結論:喫煙は認知症のリスクを高める!
タバコを吸っていると、パーキンソン病の認知症症状やアルツハイマー型認知症、脳血管型認知症のリスクが高くなるということが分かったかしら。
禁煙は、認知症になってからでは遅いわよ。認知症になると、喫煙の様々なリスクを理解することが難しくなるし、欲求のコントロールも難しくなるわ。
その上、本数のコントロールが難しくなるし、火の取り扱いも危険になって火事を起こすリスクも高くなるわ。
家族に迷惑をかける前に、禁煙に踏み切りましょう。
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