こんにちは、Dr.komakoです。
バセドウ病の治療で最も多く選択される治療方法が、薬による治療ね。
効果はあるのかしら?治療期間は長いのかしら?副作用はあるのかしら?
バセドウ病の治療 薬による治療の効果と治療期間
バセドウ病の薬の種類と服用の仕方
バセドウ病の薬には、チアマゾール(MMI)とプロピルチオウラシル(PTU)という2種類の薬があるの。
どちらも、更新した甲状腺の機能置抑える薬よ。
MMIの方が治療効果が現れるのが早くて、副作用が起きにくいから、こちらを選択することが多いわ。でも、近い将来妊娠や出産を考えている人は、母乳に成分が出てこないPTUを選択するの。
甲状腺の薬による治療が始まったら、まず早く甲状腺の機能を正常に戻すために、十分な量の薬を服用するの。そこから徐々に薬の量を減らして行って、安定したところでしばらくの期間一定量を飲み続けるという方法で治療を進めて行くわ。
バセドウ病の薬による治療期間
MMIの場合、最初は3~6錠から始めて、甲状腺ホルモンや、甲状腺刺激ホルモンの検査値が正常に戻るまでこの量を続けるの。大体、1か月くらいで検査値が安定して、動悸や息切れなどの身体の症状がおさまって、精神状態も穏やかになるわ。
その後、ゆっくりと薬の量を減らして行くの。
短い人で1年、長い人で3年くらいで、維持料の1日1錠まで減らすことができるわ。
薬を2日に1錠に減らしても2~3か月間、甲状腺ホルモンや、甲状腺刺激ホルモンの検査値が正常であれば、薬をやめることができるわ。
でも、甲状腺の薬をやめて、症状が再び現れることがあるわ。薬で抑えていた甲状腺の機能が、再び亢進してしまうからよ。
甲状腺の薬による治療は、治療期間がとても長くなってしまうことを知っておかなければいけないわ。
薬により治療で、5年治療を続けて自然寛解(症状がおさまった状態)した人は、約32.6%、10年で約75%よ。
維持量を飲んでいれば、健康な生活を続けることができるし、何ら寿命に影響するようなことは無いわ。だから、維持量をのんで元気に過ごせている状態を「治癒状態」と考えることもできるわ。
バセドウ病の薬の副作用
長い間飲み続けるとなると、心配なのが副作用よね。
すぐに受診が必要な副作用
- 白血球の減少:扁桃腺炎・のどの痛み・突然の高熱・体のだるさ
- 血液の成分がすべてつくられなくなる:白血球減少による副作用の症状・青あざ・皮下出血
- 肝機能障害:白目が黄色くなる・尿の色が濃くなる・食欲がない・吐き気
命に関わる副作用なの。受診日でなくても、すぐに病院へ行って、お医者さんに診てもらってね。
その他の副作用
- 発疹・かゆみ
- 発熱・筋肉や関節の痛み・リンパ節の腫れ
- こむらかえり・首筋やわき腹の筋肉の引き連れ
- むくみ・皮膚の乾燥・食欲不振・脱毛・寒気
こういった症状が出た時は、すぐにお医者さんに相談してね。