Dr.komakoのおんなのよろず診療所

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不妊治療の血液検査は排卵周期にあわせて行います

こんにちは、Dr.komakoです。

 

不妊治療は、治療に入る前にたくさんの検査を行うわ。血液検査もその一つよ。しかも、不妊治療の血液検査は排卵周期に合わせて最低でも2回は行う必要があるの。

 

注射針を何度も腕に刺すのは嫌なものよね。

 

でも、検査の必要性が分かれば、我慢できるのではないかしら?

 

不妊治療の血液検査は排卵周期にあわせて行います

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卵胞期に行う検査

卵胞期は、月経がはじまってから排卵が起こるまでの周期を言うの。エストロゲンが多く分泌されていて、お肌の調子は良くてダイエットにも最適な時期ね。

 

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 基礎体温は、低体温期を示しているわ。この時期に行う血液検査の項目には、以下のようなものがあるわ。

卵胞刺激ホルモン(FSH)

卵胞刺激ホルモン(FSH)は、卵胞を育てるホルモンで、脳下垂体から放出されているの。このホルモンを調べると、卵巣の機能が低下していないかどうかが分かるの。

 

月経がはじまって3日後の卵胞刺激ホルモン(FSH)の値は8~10mlu/ml以下が正常範囲なの。これ以上高いと、卵巣の機能が低下していると考えていいわ。女性の年齢が高くなって卵巣の機能が低下すると、卵胞刺激ホルモン(FSH)は高くなって行くのよ。

黄体形成ホルモン(LH)

黄体形成ホルモン(LH)は、排卵を促して卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌を促すの。脳下垂体から放出されるホルモンよ。卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)の比率は、1:1が理想的なの。

 

黄体刺激ホルモン(LH)が多い時は、多嚢胞性卵巣症候群という病気にかかっている可能性があるの。多嚢胞性卵巣症候群は、卵巣の壁が厚くなって排卵ができずに卵巣の中で卵胞が詰まってしまう病気よ。不妊の原因になるわ。

 

卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)の値がどちらも低い時には、視床下部や脳下垂体の機能が低下している可能性があるの。この場合、さらにホルモン負荷試験を行ってどちらに問題があるのかを調べるわ。

ホルモン負荷試験(LH-RH)

黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH-RH)を注射して、脳下垂体から分泌される黄体形成ホルモン(LH)や卵胞刺激ホルモン(FSH)の変化を見る検査なの。

 

採血を行ってから黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH-RH)を静脈注射するの。その後、15分後と30分後に採血をして、黄体形成ホルモン(LH)と卵胞刺激ホルモン(FSH)の変化を見て行くの。

 

黄体形成ホルモン(LH)と卵胞刺激ホルモン(FSH)はどちらが多くても少なくても、バランスが崩れていると排卵障害の原因になるの。この検査で、排卵障害や無月経などの内分泌の異常を調べることができるわ。また、黄体形成ホルモン(LH)の検査を行って多嚢胞性卵巣症候群の可能性がある人は、この検査で確定診断を行うの。

甲状腺ホルモン

甲状腺ホルモンは、多くても少なくても排卵障害や着床障害、流産の原因になるの。

 

橋本病などの甲状腺機能が低下している状態になると、プロラクチンという物質が分泌されて排卵障害の原因になるの。

 

komakosensei.hatenablog.com

 

 

また、バセドウ病などの甲状腺のホルモンが多すぎても、排卵障害を起こすわ。

 

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抗精子抗体検査

精子は身体の外から体の内部に侵入しようとする異物よね?体は異物に対して、それが雑菌であろうが精子であろうが排除するように働くわ。

 

排卵期になると体は変化して精子が体の中に入って行けるようになるの。でも、精子に対して抗体ができてしまうことがあるの。抗体ができると、排卵日になっても精子を排除するようになってしまうの。

 

この検査では、精子に対して抗体ができていないか、できているのであればその値はどれくらいかを調べるの。

黄体期に行う検査

排卵が起こってからの高温期を黄体期と呼ぶの。この時期にしかわからない内容の検査を行うのよ。

黄体ホルモン(プロゲステロン)

黄体期の中期頃に行う検査よ。

黄体ホルモンは排卵後に卵胞が黄体化することで分泌されて、妊娠を成立させたり維持させたりするために働くホルモンなの。

 

黄体ホルモン(プロゲステロン)の正常値は10ng/mlよ。正常値よりも少ないと、受精卵が着床できない着床障害や流産をおこしやすくなるの。

卵胞ホルモン(エストロゲン)

卵黄期の中期ごろに、黄体ホルモン(プロゲステロン)の値を調べる時に同時に行うのよ。卵胞ホルモンエストロゲンは卵胞の成熟や子宮頸管の粘液の分泌や、子宮内膜の増殖などに作用するホルモンなの。

 

黄体中期には分泌量が増えるの。この検査では、黄体ホルモン(プロゲステロン)とのバランスを見て行くのよ。

周期に関係なく行う検査

プロラクチン(PRL)

プロラクチン(PRL)は妊娠や授乳期に増えて、乳腺の発育や母乳をつくるために働くの。でも、妊娠していないのに増えてしまうと、排卵障害を起こすのよ。

 

妊娠していないのにプロラクチン(PRL)が増える原因には、脳腫瘍があるの。特に、下垂体にできた腫瘍のために増えてしまうことがあるわ。

アンチミュラー管ホルモン(AMH)

発育過程の卵胞から分泌されるホルモンなの。この値を調べると、女性の卵巣予備機能を知る指針になるわ。

 

不妊治療の記事をまとめました。

 

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