こんにちは、Dr.komakoです。
乳癌の治療は、手術以外は外来通院で行われることが多いわ。
副作用が起こっても、自宅で対処しなければいけないから、心細いし、思わぬことが起きてあわてることがあるわ。
乳癌の治療中の生活は、どんなことが起こりえるのかしら?
乳癌の治療中の生活と副作用との付き合いかた
化学療法の副作用
乳癌の化学療法は、自宅に退院してから始められるわ。
抗がん剤の治療期間や、使う薬剤の種類、副作用の現れ方には個人差があるわ。
化学療法を受ける前に、お医者さんはあらかじめ、現れる可能性のある副作用について説明してくれるわ。
■脱毛
抗がん剤の副作用で、脱毛の可能性があるといわれたら、とてもショックを受けると思うの。
でも、化学療法が終わって1年半から2年で、自分の髪で生活できるようになるわ。
脱毛の可能性があるとお医者さんから言われたら、美容院に行って、髪を短く切ってもらいましょう。
髪が抜けて行く間は、抜け毛が目立たないように黒っぽい服装をしておいた方がいいわ。
頭皮がデリケートになっているから、シャンプーなどのヘアケア用品は自然素材の刺激の少ないものを選んでね。
かつらを作りたいと思っているのなら、治療が始まる前に注文しておいた方がいいわ。
オーダーメイドの場合、出来上がるまでに時間がかかるのよ。
最近は医療用のかつらもたくさんの中から選べるわ。
かつら以外にも、帽子やターバンで頭皮を隠す方法があるわ。
帽子は、ニットキャップがおすすめよ。風で飛んで行ったり、ずれたりし難いもの。
エクステンションを帽子に縫い付けておくと、とても自然な感じがするわ。
エクステンションは値段もお手頃だから、何種類か作っておくのもいいわね。
髪と一緒に、眉毛やまつげが抜けてしまうこともあるの。アイメイクを普段しない人は、あらかじめ自分の顔に良くなじむアイライナーを探しておいたり、眉を書く練習をしておくといいかもしれないわ。
まつげが無いと、目にほこりが入りやすくなるの。だから、だてめがねを用意しておいた方がいいわね。
■吐き気
抗がん剤で胃の粘膜があれて食欲がなくなったり、吐き気が起こることがあるわ。
制吐剤ももらえるので、上手に利用してね。
化学療法を行っているときは、いつも以上に水分をたくさん取って、過剰な抗がん剤が体外に排出しやすくしてね。
ただ、スポーツドリンクや緑茶、オレンジジュースは吐き気を助長することがあるから、避けたほうがいいわ。
吐き気がある時は、匂いにも敏感になるから、温かな食事よりも、少し冷めたくらいの食事の方が匂いを感じにくくて食べやすいわ。
炭水化物は消化も速くて、胃に負担をかけにくいわ。食欲がない時は、ゼリーやクラッカーを少しずつ食べるのもいい方法よ。
ただ、どうしても受け付けないときは、無理をしなくていいわ。抗がん剤の治療は、何クールかに分けて行うから、治療の合間の食欲が回復した時に栄養を補給してね。
■つめの変形・変色
抗がん剤でつめを作る細胞がダメージを受けてしまうことがあるの。
脱毛が起こるといわれた人は、つめにもダメージを受けやすいわ。
つめが黒ずんだり、筋が入ったりするし、ひびが入ったり取れてしまったりすることがあるの。
変形していると、日常生活でもひっかけてしまいやすくなるわ。
つめがもろくなっているから、マニキュアで保護するといいわよ。
つめは、もともと呼吸をしていないから、マニキュアをつけていたむことは無いわ。
ただ、あまりにもデコレーションを盛りすぎると、かえってひっかけてしまうことになるかもしれないから、ほどほどにネイルを楽しんで。
病院に行くときは、つめの色は健康状態を知る大切な場所だから、マニキュアを取るか、透明なものにしてね。
■その他の症状
他にも、様々な副作用が考えられるわ。
- 感染しやすくなる
- むくみ
- 倦怠感
- 下痢・便秘
- 発熱
- 皮膚の変色
副作用をメモしておくのはお勧めの方法よ。
診察の時にいつどんな副作用が起こったかお医者さんに伝えやすいわ。
ホルモン療法の副作用
ホルモン療法でも、化学療法ほどではないけれど気になる副作用が起こるわ。
■ホットフラッシュ
ホルモン療法を行っているときは、体温調節が上手く行かなくて、のぼせやほてり、発汗、冷えといった、ホットフラッシュと呼ばれる症状が現れることがあるの。
首の周りを冷やすと効果があるといわれているの。のぼせを感じたら、ウエットティッシュなどで首筋を冷やすといいわ。
身体が体温調節できない分、羽織ものをこまめに脱ぎ着して体温調節をするといいわ。
汗をかいたらそのあと体が冷えてしまうから、汗をぬぐえるミニタオルを持ち歩いたり、さっと取り出して煽げる扇子を用意しておくといいわ。
■シミ・そばかす・肌荒れ
ホルモン療法を行っているときは、肌トラブルを抱えやすいのよ。
エストロゲンは美肌効果のあるホルモンだけど、エストロゲンの発生を抑制しているせいね。
日焼け止めや帽子、日傘で紫外線を予防して、ビタミンCを多くとると、お肌の調子は整ってくるわ。
■精神不安定
ホルモン療法中は、精神的に不安定になりやすいの。イライラしたり、不安な気持ちになったり。
それは、あなたが悪いのではなくて、治療によるものなの。
開き直ってしまっていいわ。
身近な人に、ホルモン療法の治療中で、精神的に不安定になっていることを伝えておくのもいい方法よ。
■体重増加
ホルモン療法を行っているときは、体重が増えやすいの。
でも、体重が増えて脂肪が多くなるのは、乳癌の治療にとってはよくないわ。
食事のバランスを整えて、適度な運動を行って、体重が増えないように気を付けてね。
放射線治療中に気を付けること
■服装
放射線治療を行うときは、上半身は裸になるの。
放射線治療ではマーカーで放射線を当てるところにしるしをつけるのよ。放射線を当てると、皮膚がやけどみたいに赤くなることもあるわ。
この時期はまだ、傷が腫れていたり痛みがあるかもしれないわ。
前開きなど、脱ぎ着しやすくて圧迫感のない物で、マーカーがついても目立たない濃い色の下着や服を選んだ方がいいわ。
■入浴の注意
放射線の治療を行っている期間中は、低めの温度のシャワーで、軽く流す程度にしてね。
どうしても湯船につかりたいときは、肩までつからず、短時間ですましてね。
放射線治療の期間中は、マーカーのしるしが消えてしまわないように注意してね。
もし消えてしまったら、自分で書き直してはダメよ。お医者さんに行ったら、また書き直してくれるから。
■皮膚のケア
放射線治療後1週間くらいは、皮膚がじくじくするなどの肌のトラブルが起こることがあるの。
お医者さんが軟膏を出してくれるはずだから、それをつけてね。
紫外線に当たると、皮膚の炎症がひどくなるから、日傘などで日焼けを防いでね。
放射線を当てていたところが、乾燥したりかゆみを起こすことがあるの。そんな時は、低刺激なボディーローションでお手入れをしてね。
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