こんにちは、Dr.komakoです。
子宮体がんは、40代から増え始める女性特有のがんよ。
女性ホルモンと深い関係があるがんなの。40代以上の女性は、要注意よ。
子宮体がんの原因って何?更年期との関係は?
■女性ホルモンと月経周期
女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロンという二つのホルモンがあるの。両方がバランスよく分泌されることで、28日の月経周期が維持されるし、妊娠したら出産まで妊娠を維持することができるのよ。
月経周期は月経の初日が卵胞期の1日目になるわ。出血は、前回の月経周期の最後にエストロゲンとプロゲステロンの濃度が低下した後におこるの。このホルモン濃度の低下で、厚くなった子宮内膜がはがれ落ちるのよ。
出血が起きのと同時期に、卵胞刺激ホルモンの濃度が少しだけ上昇するの。それが刺激になって、いくつかの卵胞が成長をはじめるわ。
やがて卵胞刺激ホルモンの濃度が低下すると、卵胞のうち一つだけが発育を続けて成熟していくの。この卵胞からはエストロゲンが分泌されるようになるわ。
排卵期は、黄体形成ホルモンと卵胞刺激ホルモンの濃度が急激に上昇するの。黄体形成ホルモンはホルモンの排卵を促すの。この時期にはエストロゲンの濃度がピークに達するし、プロゲステロンの濃度も上昇しはじめるわ。
黄体期に入ると、黄体形成ホルモンと卵胞刺激ホルモンの濃度は低下していくわ。破れた卵胞は卵子を放出した後に閉じて、黄体に変化してプロゲステロンを分泌するようになるの。この期間は、エストロゲンの濃度は高いままよ。プロゲステロンとエストロゲンは子宮内膜を厚くしていって、妊娠に適した環境が整えるの。
でも、妊娠が成立しなければ黄体が退化してプロゲステロンを分泌しなくなるわ。エストロゲンの濃度も低下して、厚みを増していた子宮内膜が崩壊してはがれ落ちて次の月経周期が始まるの。
■更年期のホルモンバランスの乱れと子宮体がん
更年期に近くなると、卵巣から排卵されないことが増えてくるの。排卵が行われないと、プロゲステロンが分泌されないまま、エストロゲンにだけ子宮内膜が刺激されることになって、子宮内膜が異常に増殖してしまうのよ。
子宮内膜増殖症といわれる状態になると、子宮がんに発展するリスクが高くなるわ。
とくに、閉経後に子宮内膜増殖症になった時は、高確率で子宮体がんに発展するから、注意が必要よ。
■閉経後の肥満と子宮体がんの関係
閉経後は、卵巣からエストロゲンが分泌されない代わりに、脂肪細胞からエストロゲンを作り出すようになるの。
肥満で脂肪が多いと、エストロゲンの分泌が多くなって、子宮内膜を増殖させる原因になってしまうのよ。
■子宮体がんとホルモン療法
ホルモン療法は、子宮がんの発生リスクを高めるといわれているわ。
経口避妊薬を長期間服用していた人や、更年期障害のホルモン療法でエストロゲン単体のホルモンを服用している人は、特に注意して定期的な検査をする必要があるわ。
関連記事
がん保険は必要?乳がんの症例を通じて医療保険とがん保険を比較してみました
子宮体がんはどんなふうに進行するの?子宮体がんのステージとは?その生存率は?
子宮体がんでも出産できる?子宮体がんのホルモン療法で子宮温存した時の効果とリスク