子宮内膜症性卵巣嚢胞（チョコレート嚢胞）は、卵巣の中で子宮内膜細胞が増殖していく病気よ。増殖した内膜の出口がないから、卵巣の中でどんどん剥がれ落ちが内膜が溜まって行くの。適切な治療をしないと、卵巣が破裂してしまうこともあるのよ。
子宮内膜症性卵巣嚢胞（チョコレート嚢胞）の治療
薬物療法
子宮内膜症性卵巣嚢胞（チョコレート嚢胞）の嚢胞が4㎝以下で、症状が特別ひどくなく、すぐに妊娠を望まない人に薬物療法を勧められることが多いわ。
薬物療法では、ディナゲストという子宮内膜症治療薬か超低用量ピルを使うの。どちらの薬も、排卵を止めて月経が起こらないようにし、子宮内膜症の病巣を小さくしていく治療なの。
嚢胞の大きさが4㎝以上になると、薬で嚢胞がなくなることは考えられないから、手術を勧められることが多いわ。
薬物治療を行っている間は、妊娠ができないの。薬物療法は時間がかかるから、妊娠を望む女性には、薬物療法で時間を使うよりも、手術で病巣を取り除いてしまうことを勧められるわ。
40歳以上の女性は、嚢胞ががん化するリスクが高くなるの。嚢胞ががん化しているかどうかは、手術で切り取ってみないとわからないの。40歳以上の女性は、できれば手術を受ける方がいいわ。
卵巣嚢腫摘出術
子宮内膜症性卵巣嚢胞（チョコレート嚢胞）ができると、卵巣は引き伸ばされて薄くなって行くの。卵巣の中には、嚢胞が袋のような状態で発生していて、袋の中は古い血液が溜まっているの。
卵巣嚢腫摘出術は、薄く引き伸ばされた卵巣を切開して、嚢胞の袋を取り出し、正常な卵巣部分を修復する手術よ。40歳以下で嚢胞が4㎝以上の大きさの人や、不妊症を合併している人、４０歳以上の人に勧められるわ。
子宮内膜症性卵巣嚢胞がある人は、大体卵巣以外にも子宮内膜症の病巣が広がっているの。手術の時には、癒着を起こしているところをはがしたり、他の病巣を切り取ったり焼切ったりする治療を同時に行うの。不妊症の人は、卵管の通過性を確認することもできるわ。
卵巣嚢腫摘出術を行った後は、妊娠の確率が高くなるの。ただし、手術後子宮内膜症性卵巣嚢胞が再発する割合は高くて、2年以内に2～３割の人が再発するのよ。
妊娠を望む人は、手術後お医者さんの許可がおりたら、できるだけ早く妊娠するようにね。不妊治療を受けている人は、積極的に治療を進めて行ってね。
付属器摘出術
妊娠を希望しない人や、嚢胞が大きい人、嚢胞がいくつもできているような人は、卵巣と卵管を取り除く、付属器摘出術を行うことになるわ。
片方の卵巣が残されるから、更年期の症状が起こる心配はないわ。でも、卵巣が片方ない分、妊娠の確率は低くなってしまうわ。
卵巣と卵管を取り除くことで、嚢胞が破裂したり、ねじれて激しい腹痛が起こる危険性はなくなるわ。再発も、卵巣嚢腫摘出術を行った時よりも起こりにくいわ。
スポンサードリンク
あなたにおすすめの記事
