こんにちは、Dr.komakoです。
小児のアトピー性皮膚炎の治療は、保湿外用薬での保湿が基本になるわ。保湿に加えて、重症度に応じてステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬などの薬物療法を行っていくわ。学童期では友人関係や受験など日常生活でのストレスが悪化因子になることがあるわ。
小児アトピー性皮膚炎の治し方
診断
アトピー性皮膚炎は年齢が上がるとともに湿疹が体全体に広がって行くの。かゆっくてつい掻いてしまうところは皮膚が固くなるし、耳の周囲の皮膚が切れてしまうこともあるわ。
気になる症状があったら、皮膚科の病院へ行きましょう。
問診と血液検査で、アトピー性皮膚炎かどうかを診断するのよ。
治療の進め方
アトピー性皮膚炎だと診断されたら、治療を開始するわ。まずは保湿外用薬を使ってスキンケアを徹底的に行うの。保湿外用薬は体全体に塗って、肌のバリア機能を修復してね。それに加えて、重症度によってステロイド外用薬などの治療を加えて行くの。
軽症
軽症であれば、ステロイド外用薬は使わずに、保湿外用薬を使ったスキンケアを重点的に行って肌のバリア機能を回復していくの。
中等症
中等症の患者さんには、ストロングクラス以下のステロイド外用薬が使われるわ。1日1~2回必要に応じた量を塗ってね。
重症・最重症
重症度の高い患者さんには、ベリーストロングタイプ以下のステロイド外用薬を使うの。顔や首にはミディアムクラス以下のステロイド外用薬を使うわ。顔や首は皮膚が薄くて薬の吸収率が高いの。薬は間違えないように縫ってね。
ステロイド外用薬を塗り始めて3~4日すると、皮膚の炎症はかなり良くなるわ。そしたら、皮膚をつまんで固くなっているところだけに薬を塗るようにしてね。
かゆみが強くて、どうしても掻いてしまうときは抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬でかゆみを抑えるの。
症状が改善したら?
治療を続けて3週間くらいたったら、大体の患者さんの症状は落ち着いてくるわ。そしたら、ステロイド外用薬を弱いタイプにかえたり、量を減らしたりしていくの。保湿外用薬でのスキンケアは、症状がよくなっても続けてね。
軽症
保湿外用薬によるスキンケアを続けてね。よくなったからって、やめたらだめよ。
中等症
ストロングクラスからミディアムタイプにかえて様子を見るか、塗る回数を減らして様子を見るわ。良い状態が続いていたら、もう一つ弱いクラスの薬にかえたり、塗る回数を徐々に減らして行くの。
重症・最重症
ストロングタイプのステロイド外用薬に変更して様子を見て行くわ。良い状態が続いていたら、ミディアムタイプ、ウィークタイプと少しずつ弱いタイプに変更していくの。ウィークタイプでも症状を維持できていれば、塗る回数を減らして行くわ。
治療の途中で、顔や首に塗る薬をプロトピック軟膏にかえることもあるわ。これは、長期間顔や首といった皮膚の薄いところにステロイド外用薬を塗ることによっておこる副作用を防ぐためなの。プロトピック軟膏は、副作用の少ない安全なお薬よ。
症状が変わらない・再発した時は?
症状が変わらない時も、保湿外用薬でのスキンケアはずっと続けてね。
ステロイド外用薬の種類を代えて、症状の変化を見守っていくのよ。
軽症
かゆみが起こった時は、ミディアムタイプのステロイド外用薬を使ってみるかもしれないわ。かゆみが強いようであれば、少し強いステロイド外用薬を使ったり、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を使ってかゆみを抑える治療を行うわ。
中等症
ストロングタイプの、今使っているのとは違う種類のステロイド外用薬を試してみるわ。症状が悪化した時は、一時的にベリーストロングタイプを使うかもしれないわ。
重症・最重症
ベリーストロングタイプのステロイド外用薬でも、違う種類のものを試してみるの。プロトピック軟膏を、身体に使ってみると効果があることもあるわ。抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬は続けて服用するの。
それでもどうしても症状が改善しないときは、紫外線療法や、ステロイド内服薬を使ってみることも検討するわ。
治療のゴールは?
アトピー性皮膚炎の症状があらわれなくなって、保湿外用薬とプロトピック軟膏だけで健康な肌の状態を維持できるようになったら治療のゴールよ。保湿外用薬での保湿はずっと続ける必要があるわ。
年齢が上がってくると、学校生活でストレスを抱えてしまいがちになるわ。ストレスが再発の引き金になることがあるの。再発した時は迷わずすぐに皮膚科のお医者さんの治療を受けましょう。
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