Dr.komakoのおんなのよろず診療所

komako先生が女性の心と体の不調を解決します。

橋本病の治療の進め方

こんにちは、Dr.komakoです。

 

橋本病の治療はただ一つ、足りなくなった甲状腺ホルモンを補うこと。

ただ、橋本病は治療が必ず必要だとは限らないわ。それと、必要なホルモンの量は人によって違うわ。お薬の量を決めるのはなかなか難しいのよ。

 

橋本病の治療の進め方

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橋本病の治療が必要ない場合

橋本病は、自己免疫疾患なの。

自分の体を守るための免疫機能が、甲状腺を攻撃してしまって起こる病気なの。橋本病にかかっても、甲状腺がまだホルモンを作る余裕があれば、甲状腺ホルモンは足りなくなることは無いわ。

 

甲状腺の機能が低下してきていても、甲状腺刺激ホルモンの命令で残っている機能で甲状腺ホルモンを必要な分量だけ作り出すことができていれば、甲状腺ホルモンは足りなくなっていないわ。

 

血液検査で橋本病だと診断されても、甲状腺ホルモンが足りなくなっていなければ、治療を行わないの。定期的に検査をして、甲状腺ホルモンの値を調べて、経過を見守っていくわ。

 

橋本病になると、特に症状が出なくても首が腫れてくることがあるの。この腫れを小さくする治療方法は、今のところないのよ。甲状腺ホルモン剤で小さくなることもあるけれど、甲状腺ホルモンの量が正常値であれば、ホルモン剤を服用するのはあまりお勧めの方法ではないわ。

橋本病の治療を開始する基準

身体に特に症状が無くても、甲状腺ホルモンの量が足りなくなっていたら、甲状腺ホルモン剤の服用を始めるの。

 

甲状腺ホルモンが足りない状態が続くと、身体の臓器に様々な影響が出てくるの。

心臓や肝臓の機能が悪くなったり、血液中のコレステロールの量が増えて動脈硬化になったりね。体に深刻な影響が現れる前に、甲状腺ホルモンを補う治療を始めるのよ。

甲状腺ホルモン剤の治療の進め方

甲状腺ホルモンが足りないからと言って、いきなりたくさんの量のホルモンを補うのは危険なの。たとえそれが正常な量になる分量だとしてもよ。

 

急激なホルモンバランスの変化は、心臓に負担を与えて、狭心症や心筋梗塞を起こすことがあるわ。

 

とくに、心臓に持病がある人や、粘液水腫を起こしている人は、少量のホルモン剤の投与から始めて、少しずつ量を増やしていくの。ときには、入院して身体の状態を実ながら治療を進めることもあるわ。

 

大体の人は、治療を始めて2~3か月で自分の体に合ったホルモン剤の量が決まってくるわ。そしたら、その量のホルモン剤を飲み続けるの。

 

薬さえ飲んでいれば、病気は進行しないし、橋本病の症状があらわれることもないわ。

甲状腺ホルモン剤の副作用

甲状腺ホルモンは、もともと体にあるもよ。現在使われているホルモン剤は、身体に元からある甲状腺ホルモンと同じもので作られているの。だから、アレルギー反応や副作用が起こることは無いわ。