こんにちは、Dr.komakoです。
橋本病やバセドウ病などの甲状腺の病気になると、妊娠や出産に悪い影響があると思っている人は多いのではないかしら?
確かに、甲状腺ホルモンは卵巣の機能や女性ホルモンに大きな影響を与えるわ。でも、適切な治療を受けていれば、妊娠や出産に関して特にリスクが高くなるということはないのよ。
甲状腺の病気の出産リスク:誤った認識と実際のリスク
甲状腺の病気と妊娠の悲しい歴史
バセドウ病になると、流産しやすくなる。
妊娠すると、甲状腺の病気が悪化する。
そのような認識を持っている人は、多いのではないかしら?
確かに1982年の調査では、バセドウ病の妊婦は健康な人の倍以上流産をしていたわ。でも、これには理由があるのよ。その当時、妊娠中はどんな薬でも胎児への影響を恐れて服用を中止する傾向があったの。
妊娠するまでバセドウ病の治療を受けていて、甲状腺ホルモンの値が安定していても、妊娠を機に治療をやめてしまったら甲状腺ホルモンの分泌は増えてしまうわ。そうすると、流産の危険性は高くなるの。
また、妊娠や出産をするとバセドウ病の病状が悪化するから、バセドウ病の人が妊娠したら早めに中絶手術をしたほうがいいといわれていた時代があったの。その為に、離婚を余儀なくされた人も、たくさんいたわ。
甲状腺の病気が妊娠出産に与える影響
甲状腺ホルモンは、卵巣の働きに影響を与えるわ。特に、女性ホルモンへの影響は大きいの。
バセドウ病になると、月経の量が少なくなったり、月経の間隔が長くなったり、無月経の状態になったりするわ。でも、排卵自体がなくなることは無いの。
橋本病になって甲状腺ホルモンが少なくなると、無排卵になって不妊症になることがあるわ。
甲状腺のホルモンの値が多くなったり少なくなったりと激しく変動している人は、治療を受けていても流産の危険性は高くなるのは確かなの。
甲状腺の病気の治療が妊娠・出産に与える影響
甲状腺ホルモンが、妊娠や出産に影響があるということは否定できないわ。
でも、治療を受けていて甲状腺ホルモンの数値が安定していれば、妊娠や出産には何のリスクもないのよ。甲状腺ホルモン剤が、胎児へ何らかの影響を与える心配も、全くないわ。
それどころか、甲状腺の病気を持っている人が妊娠すると、自然と甲状腺の機能が安定して、治療が必要なくなることもあるの。なぜ、妊娠が甲状腺の機能を改善させるかについては、よく分かっていないの。きっと、赤ちゃんを無事にこの世に送り出すために働く、女性の不思議な力なのね。
まとめ
甲状腺の病気は、治療をしなければ不妊や流産のリスクを高めるわ。
でも、適切な治療を行っていれば、甲状腺の病気が妊娠や出産に悪い影響を与えることは全くありません。
甲状腺の病気と闘っている女性の皆さん、間違った認識のためにかわいい赤ちゃんをあきらめるようなことはしないでね。
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