更年期障害とホルモン充填療法
こんにちは、Dr.komakoです。
今日は、更年期障害の治療で行われる、ホルモン充填療法について、少し詳しくお伝えするわね。
ホルモン充填療法というのは、減少したホルモンを補充し、ホルモンバランスを整えるための薬物治療のことよ。
ホルモン充填療法にはいろいろな種類があって、自分の体の調子やニーズによって治療を選択することがでるのよ。
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■ホルモン充填療法の効果
ホルモン充填療法によって次のような効果が期待できます。
- ホットフラッシュ(のぼせやほてり)の改善
- 自律神経系の症状の緩和
- 生殖器の委縮や渇きによる性交痛の緩和
- 骨粗鬆症の予防
- 不眠の改善
- 脂質代謝異常の予防
■ホルモン充填療法の治療期間
のぼせやほてりなど、とにかく自律神経症状を改善したいっていう場合は、服用期間は8週間程度よ。ただし、服用を終了すると症状が再発する可能性もるわ。
性交痛を何とかしたいときや、骨粗鬆症、動脈硬化の予防のためには最低5年程度服用を続ける必要があるわ。
その後は、副作用などの問題がなければ服用期間を伸ばしていけるわ。一生涯飲み続けることもできるわよ。
■ホルモン充填療法の種類
ホルモン剤には、エストロゲン単剤、プロゲステロン単剤、エストロゲンとプロゲステロンの複合剤があるわ。
薬の形態には、飲み薬とパッチなどの貼り薬、塗り薬があるの。
飲み薬は確実な効果があるけれど、胃や肝臓に負担をかける心配があるわ。
貼り薬や塗り薬は皮膚から直接血管に吸収されるから、胃や肝臓など内臓の負担にはならないけれど、皮膚のかぶれやかゆみを起こす可能性があるわね。
■ホルモン充填療法の選択の仕方
ホルモン充填療法には、周期的投与法と持続的投与法があるわ。
●周期的投与法には、二つの種類があります。
- 間欠法:主に閉経前後の女性に用いられる方法よ。更年期障害の症状が軽い場合は、エストロゲンを21日間服用して、エストロゲン服用開始12日目からプロゲステロンの服用を10日間行うの。休薬期間に生理のような出血があるわ。
- 持続法:主に閉経前後の女性に用いられるのだけど、更年期障害の症状が重い場合に選ばれる方法ね。エストロゲンを服用し続けて、毎月10~14日間プロゲステロンを服用するの。プロゲステロン服用終了後、生理のような出血があるけれど、まれに出血が無い場合もあるわ。
●持続的投与法には、三つの種類があります。
- 持続的併用法:閉経後しばらくたっている女性や、生理用の出血を望まない女性に選らばれる方法よ。エストロゲンとプロゲステロンを毎日服用するの。服用を始めて3~6か月は不正出血があるけれど、そのうちになくなるわ。
- 持続的単独法:がんなどで子宮を摘出した女性には、エストロゲンだけが処方されるわ。
- 卵胞ホルモンパッチ法:エストロゲンを含むホルモンパッチ剤を腹部に貼りつける方法よ。毎日一枚ずつ張り替えてね。内臓に負担がかからないけれど、皮膚のかぶれやかゆみを起こすことがあるわ。
■ホルモン充填療法と副作用
ホルモン充填療法の副作用には、不正出血、吐き気、胃もむかつき、乳房の張り、子宮筋腫の悪化などがあるわ。
でもね、薬剤の量や種類を調節することで、副作用を軽くすることはできるわ。
ホルモン充填療法を行うと子宮内膜が増殖して、子宮体がんの発生リスクが高くなるという報告があるわ。
でも心配しないで。エストロゲンとプロゲステロンを同時に服用すると、子宮体がんの発生リスクを抑えることができるわ。
乳がんが増えるという報告もあるけれど、最近の研究によって、発生リスクは1万人につき3人という報告もあるし、乳がんの発生リスクの増加は気にしなくてもいいと思うわよ。
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