Dr.komakoのおんなのよろず診療所

komako先生が女性の心と体の不調を解決します。

がん保険は必要?乳がんの症例を通じて医療保険とがん保険を比較してみました

こんにちは、Dr.komakoです。

 

とてもつらいことだけど、女性特有のがんにかかって、悩んでいる女性を本当によく見かけるの。
彼女たちの悩みは、自分の身体の事、家族の事、仕事の事、お金の事・・・。
とてもたくさんの悩みがあるわ。
安心して治療を受けるために、若いころから医療保険に入っておくのはとても大切なことなの。
でも、がん保険ってどうなのかしら。医療保険と、何が違うのかしら?

 

がん保険は必要?乳がんの症例を通じて医療保険とがん保険を比較してみました

 

がんになった時の悩み

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がんになって、みんなが抱える不安はみんな共通しているわ。
自分の事だけではなくて、周りの人の事も心配してしまう優しい人が多いわね…。

 

●自分の体への不安


がんだと診断されて、いろいろな検査をしても、がんの進行度をしめすステージを判定するのは、手術後に行われる病理検査の結果を待たなければいけないわ。
がんは1期~Ⅳ期にわかれていて、がんの大きさやタイプ、転移の有無や範囲によってステージを判定しているの。
Ⅲ期以降は進行がんと言われて、治療が難しくなってくるわ。
がんだと診断されたら、自分の病気の状態や、命の事、治療の事、本当にたくさんの不安を抱えることになるわ。

 

●家族への不安


女性特有のがんにかかる年齢は、子育て世代であることが多いわ。かかる年齢が比較的高い子宮体がんでは、介護の役割を抱えている人も多い年齢よね。
女性は家庭を支える大きな土台よ。その土台が弱ったら、家族みんなが困ってしまうわ。
それが分かっているからこそ、病院に行くのを後回しにしてしまって、発見が遅れることも多いのよ。
がんで、治療のために入院したり、身体が動かなくて家事ができなかったら・・・。女性は自分の事だけ悩んでいる事は出来ないのね。

 

●仕事への不安


仕事をしている女性はやっぱり、自分が休んで周りに迷惑をかけることを心配するわよね。
がんで体が弱って、治療の後も仕事を続けられるかどうかもね。
仕事は大変だけど、がんになってみて初めて、健康だから頑張れるってことが身にしみて分かるのよね。

 

●お金の事への不安


がんになったら、長期間の入院や手術、その後の通院と、治療費がかかるわ。
そのうえ、仕事をしていたら休まなくてはいけないし、主婦は家事ができなくなるから、誰かに家事を頼んだり、外食が増えたりして出費がかさむわ。
治療費と収入源、出費増の不安を訴える人は多くて、内容はとても深刻だわ

女性のがんの特徴と必要な治療

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●乳がん


乳がんは16人に一人がかかるといわれている病気よ。40代から増え始める病気で、比較的早期発見しやすいわ。
乳がんの治療はまず手術で乳房を一部・または全部摘出してから、必要に応じて化学療法、放射線治療、ホルモン療法を行うの。
手術以外の治療は、通院で行われるわ。ホルモン療法は治療期間が長くて、費用もその分かかるわね。
乳房の切除を行っても、再建手術で乳房を取り戻すことができるわ。
乳房の再建手術には保険適応のものと、保険適応外のものがあるわ。
乳がんについて詳しくはこちら>>>

 

●卵巣がん


卵巣がんは罹患率が高いけれど、症状が出にくくて、見つかった時にはかなり進行していることが多いの。
卵巣がんの治療はまず手術で子宮と卵巣を取り除くわ。進行度合いによっては、子宮以外の臓器を取り除くこともあるわ。
手術の状況によっては、身体に負担がかかって、普段の生活を取り戻すのにも時間がかかるかもしれないわ。
手術を行ってから、化学療法を行って、転移や再発を予防するのよ。
卵巣がんについてくわしくはこちら>>>

 

●子宮頸がん


ウイルスによっておこる病気で、出産や育児をしている年代の女性を襲う病気よ。
検診によって、早期発見しやすい病気でもあるわ。
子宮頸がんになると、まず手術で子宮を切除する手術を行うわ。
その後で、化学療法や放射線治療を行っていくの。
子宮頸がんについて詳しくはこちら>>>

 

●子宮体がん


同じ子宮がんでも、子宮頸がんとは原因もがん細胞の性質も違うの。
子宮体がんは40歳以上の女性がかかることが多くて、ホルモンバランスが大きく関係しているわ。
比較的早期から症状が現れるから、早期発見をしやすいがんなの。
子宮体がんになると、卵巣と子宮を取り除く治療が行われるわ。
手術の後、化学療法や放射線治療を行っていくの。
卵巣を取り除くから、ホルモンバランスが崩れて、更年期障害のような症状が現れるわ。
子宮体がんについて詳しくはこちら>>>

 

がん保険の特徴

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私はよく、患者さんにがん保険って医療保険とどう違うのって聞かれるのよ。


がん保険は、がんの治療に必要な給付金を出してくれる保険よ。
がんだと診断されたら診断給付金、入院したら入院給付金、手術が必要なら手術給付金、通院での治療に備える通院給付金。


入院給付金と手術給付金は医療保険でも変わらない保証があるわね。
でも、診断給付金と通院給付金は、がん保険特有のもので、これがあるのとないのとでは、治療を受ける時の心理的な負担が大きく違ってくるの。


特に、診断給付金は、大体どの保険でも100万円程度もらえるから、がんだと診断されてたくさんの不安を抱えた時に、とりあえずお金の不安を取り除いてくれる大きな味方よ。


最近は、通院治療の増えてきているから、長期間続く通院の治療費も負担になってくるわ。通院給付金は1日1万円程度の給付金がもらえることが多いわ。
病気の治療が進むにつれて、お金の心配の比重は大きくなって行くから、通院給付金はとても大切な安心になるわ。

 

医療保険とがん保険の比較

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実際の症例を上げて、医療保険とがん保険を比較してみるわね。

 

●Aさん42歳

Aさんが乳がんと診断され、治療を受けて寛解し、経過観察になるまで次のプロセスを踏みました。

 

  • 乳房にしこりがあることに気付き、乳腺外来を受診。検査の結果2㎝の腫瘍を発見した。
  • 検査の結果、明らかな周辺臓器への転移は認めない。
  • 乳房全摘出手術とリンパ節廓清を実施し、ホルモン依存性の乳癌で、ステージⅡと診断した。
  • 入院期間は術前、術後通じ10日間。その後、外来での化学療法、放射線治療、ホルモン療法を実施する。
  • 化学療法は月に3回の静脈注射を6か月間実施した。
  • 放射線治療は化学療法終了後、25回実施した。
  • 放射線治療後、乳房再建手術を実施した。
  • ホルモン療法は放射線治療実施と同時に開始。アナストロゾーム経口摂取を5年間継続する。

以上の治療を行い、5年経過したががんの再発は認められず、通院は年に1度の経過観察となった。

 

●治療にかかる費用

Aさんが乳がんの治療にかかった費用は次の通りです。

 

  • 入院・手術(10日間) 65万円   自己負担 20万円
  • 化学療法(6か月)   10万円   自己負担 3万円
  • 放射線治療(25回)  30万円   自己負担 9万円
  • 乳房再建手術     30万円   自己負担 10万円
  • ホルモン療法(5年間) 85万円  自己負担 25万円

    合計     220万円  自己負担 67万円

 

*通院にかかる再診料、検査費用、交通費は含みません。
*入院費用については、高額療養費制度を利用すると負担額は少なくなります。

 

以上の経過に対して、医療保険とがん保険の給付額を比較してみるわ。

 

医療保険 

●医療保険での保障A(全労済総合タイプ)
(30歳女性が10年間に支払う保険料 21万6千円)

 

この保険で降りる給付金は 

  • 入院給付金  1600円×10日   1万6千円

   

 

●医療保険での保障B(アフラック医療保険)

(30歳女性が10年間に支払う保険料 22万3920円)

 

この保険で降りる給付金は 

  • 入院給付金  5000円×10日    5万円
  • 手術給付金(乳房切除術)     20万円
  • 手術給付金(乳房再建術)     5万円
  • 放射線治療               5万円
  • 通院給付金 3000円×30日        9万円

            合計 44万円

 

がん保険


●がん保険A(アフラックがん保険)

 (30歳女性が10年間に支払う保険料 24万600円)

 

この保険で降りる給付金は 

  • 診断給付金                       100万円
  • 入院給付金   5000円×10日        5万円
  • 手術給付金   10万円×2回      20万円
  • 抗がん剤治療  5万円×6回         30万円
  • 放射線治療                10万円
  • 通院給付金   5000円×50週        25万円
  • ホルモン療法  2万5千円×60回  15万円


合計             205万円

 

●がん保険B(メットライフ生命)

(30歳女性が10年間に支払う保険料 37万7760円)

 

この保険で降りる給付金は 

  • 診断給付金               100万円
  • 入院給付金    10000円×10日     10万円  
  • 手術給付金(乳房切除術)        30万円
  •      (乳房再建術)        30万円
  • ホルモン療法   30万円×5回     150万円

 

 合計                 320万円

 

 

補償内容は会社によってかなり変わってくるわね。医療保険よりもがん保険の方が保険料は2万円~15万円も高いわ。保険料は保険会社、年齢、健康状態によってかなり差があるわ。

 

がん保険は、保険料は高いけれど、いざがんにかかった時の保障は150万円以上多いわね。ただ、今はがんには2人に1人がかかるという統計があるの。一方で最近出されたがんの10年生存率は58%以上よ。がんにかかっても、半分以上の人は10年以上生きることができるの。がんにかかる年齢の多くが60歳以上だということを考えると、一度がんにかかっても早期に適切な治療をすればがんで命を落とすことは避けられる可能性が高いといえるわ。

 

せっかく命が助かっても、治療が終わった時に治療費のために生活が困窮してしまっていては元も子もないわ。治療に専念するためにも、治療が終わった後の生活を楽しむためにも、がんに対する備えをしておくということはとても大切なことではないかしら。

 

保険の選び方


保険って、一生の中の3番目に高い買い物なのよ。
1番が家、2番が車、3番が保険。
車は、何年かごとに買い替えるけど、保険は、いざ変えようと思っても、その時自分の体が健康でなければ、入ることができる保険が無いって言う事もありえるわ。
保険はできるだけ早くに、自分に必要な保険を見つけてはいる必要があるの。
そうしないと、いざ病気になって働けなくなった時に、生活を維持することができなくなるわ。
保険を選ぶ時のポイントは

 

  1. 現在の健康状態:検診は受けている?結果はちゃんと見ている?
  2. 将来の健康状態:検診の結果、将来かかる病気のリスクは?遺伝的に見て将来病気にかかるリスクは?
  3. 経済状況:自分の収入が途絶えた時に必要な保障額は?現在負担できる保険料は?

 

まず、自分の置かれている状況をしっかりと把握することが大切ね。
その上で、自分に合った保険を選ぶの。たくさんの保険があるから、資料を請求して、保険料と保障内容を比較してみて。

もし、あなたが今の時点で何かの持病を持っていても、あきらめないで。最近は持病を持っていても入れる保険がたくさんあるわ。
中には、がんにかかっていても入れる保険があるわよ。

 

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