こんにちは、Dr.komakoです。
ノロウイルスはインフルエンザと違って確定診断に検査キットを使うことは積極的に進められていないわ。ノロウイルスの検査は保険適応ではないし、検査キットの感度は完ぺきとは言えないからよ。では、ノロウイルスの診断はどのようにつけるのでしょう?
ノロウイルスの診断はどうやってつけるの?
症状
ノロウイルスの症状には、次の通りよ。
- 激しい嘔吐
- 水溶性の下痢
- 腹痛
- 発熱
ノロウイルスは小腸に炎症を起こして、急激に発症することが多いの。とくに嘔吐は「噴水様嘔吐」とよばれていて、トイレに駆け込む暇もなく嘔吐物を噴水のように撒き散らしてしまうほど激しい嘔吐が起こるのよ。
下痢は水のような下痢が2~3回起こることが多いわね。激しい腹痛や、38度以下の発熱が起こることもあるの。
ノロウイルスの症状について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
反対にノロウイルスでは起こらない症状があるわ。
- 咳やのどの痛み
- 鼻水、鼻づまり
- 関節や筋肉の痛み
- 悪寒
このような症状があれば、ノロウイルス以外の病気を疑うわね。インフルエンザのB型は下痢や嘔吐といった腹部症状が起こるわ。
ノロウイルスなどの胃腸炎なのか、胃腸炎以外の感染症なのかをまず症状から判断することになるわね。
流行時期
居住地の周辺でノロウイルスが流行しているかどうかは、重要な診断材料になるわ。通っている学校や職場、友人や家族にノロウイルスにかかっている人がいないか、ノロウイルスかどうかわからないけれどノロウイルスの特徴的な症状で体調を崩した人がいないかどうか問診では聞かれるわね。
ノロウイルスが流行していたり、身近にノロウイルスにかかっている人がいて、ノロウイルスの特徴的な症状があったら、「おそらくノロウイルスでしょう。」と診断するわ。
ノロウイルスの流行時期には、ノロウイルス以外の胃腸炎も流行している事が多いわ。ノロウイルスなのか、ノロウイルス以外の胃腸炎なのかを診断する必要性はあまりないのよ。だって、どちらにしても治療方法は「水分補給と安静」以外にないんだもの。
検査が必要な人は?
食品を取り扱う人や、病院や施設の職員など、自分がノロウイルスに感染することで食中毒を起こしてしまう可能性のある人やノロウイルスが重症化してしまう可能性のある人に関わっている人は、職場からノロウイルスかどうかを証明するように求められるでしょう。
病院では、お医者さんの方からノロウイルスの検査を進めることはほとんどないわ。ノロウイルスの検査は3歳未満のこどもや65歳以上の高齢者以外は保険適応にはならないの。でも、理由を話してノロウイルスの検査を受けたいと伝えたら、ノロウイルスの検査を受けることができるわ。
保育園や学校でも、ノロウイルスかどうか先生から聞かれるわよね。3歳以下のお子さんは検査は保険適応になるし、脱水症状も心配だから検査を受けた方がいいわ。それ以外のお子さんは、実費を払ってまでノロウイルスの検査をする必要はないわ。ただ、ノロウイルスであるという前提で、保育園や学校を休んだ方がいいわ。休みの期間は保育園や学校によって違ってくるわ。
会社員の人も同じよ。ノロウイルスかどうか検査をするよう会社から求められていないのなら、実費を払ってまで検査を行う必要はないわ。
ノロウイルスの症状は、たいてい3日~4日で改善するわ。症状が治まったら、学校や会社に行くことになると思うけど、1か月くらいはノロウイルスを人にうつしてしまう可能性があるということを覚えておいてね。積極的に手洗いをして、自分から他の人に移らないように注意してね。
トイレの後の手洗いで手についたノロウイルスをしっかりと洗い流すことがノロウイルスを人にうつさない大切なポイントなの。手洗いは2回、爪の間など洗いのこしの無いように十分に時間をかけてね。
感染予防に必要な手洗い方法はこちらの記事に書いています。
手洗いの後は除菌スプレーを手に取ってこすり付けてね。ただし、よくトイレに置いているアルコールスプレーはノロウイルスには効かないの。ノロウイルスの殺菌効果のある消毒液はノンエンベロープウイルスに効くタイプのものよ。ハンドジェルを持ち歩いておいて、トイレの後に使う習慣をつけておくといいわね。もちろん、ノロウイルスやインフルエンザの感染予防にも効果的よ。
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