花粉症の根治療法舌下免疫療法とは？

こんにちは、Dr.komakoです。

毎年辛い症状があらわれる花粉症は、症状を緩和する対処療法が一般的な治療法よ。でも、時間はかかるけど、花粉症にならないように体質改善をする方法もあるの。

2014年から保険適応になった舌下免疫療法なら、副作用の心配や面倒な通院の頻度も少なくて済むのよ。

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舌下免疫療法とは？

花粉症は本来体に害を与える物質ではない花粉を、身体が外敵とみなして攻撃することで起こるアレルギー症状よ。アレルギー症状を治すのはとても難しくて、花粉症などのアレルギー疾患に対する治療法はどうしても症状を緩和するだけの対処療法が中心になってしまうの。

でも、アレルゲン免疫療法という治療法は、アレルギーの原因になる物質アレルゲンを少しずつ体内に入れることで身体をアレルゲンにならしていき、アレルギー反応が起こらないようにする治療法なの。

最近までアレルゲン免疫療法は皮下注射で行われていたわ。副反応の心配があるし、注射を打つために頻繁に病院に通う必要があったの。

2014年から、シダトレンという薬が保険適応になったの。シダトレンは舌の下に数分間たらすことで皮下注射と同じように花粉の成分を体にいれていくの。皮下注射よりも副反応の危険性が少ないから、自宅で治療を行うことができるわ。

舌下免疫療法はどうやって行うの？

舌下免疫療法は、シダトレンという薬を舌の下に2分間含ませるの。パンくずを舌の下に置いて、そこにシダトレンをたらす方法が一般的ね。2分間経ったらパンくずを取り除くの。

初回は、副反応が起こっても対処できるように病院で行うわ。副反応が起こらないか、経過を見ても問題ない程度の副反応であることが確認できたら、次回からは自宅で治療を続けて行くの。

シダトレンの投与は一日1回よ。量は2週間かけて少しずつ増やしていくの。一定量まで増えたら、同じ量の投与を続けて行くのよ。

舌下免疫療法の効果は？

舌下免疫療法は、残念ながら実施したすべての人に効果があるとは言えないの。治療を行った人のうち、80％の人に何らかの効果があらわれたわ。効果は、全く症状がなくなったという人から、症状が軽くなったという人まで個人差があるの。

舌下免疫療法の治療期間は？効果は一生続くの？

舌下免疫療法は、花粉が飛び始めるよりも3か月前から行う必要があるの。できれば11月頃までに始めたいわね。最初は2週間に1度の通院が必要よ。副反応の様子を見たり、シダトレンの投薬量を調節し終わったら、1か月に1度の通院で治療を続けて行くの。

舌下免疫療法は、少なくとも2年間は行うつもりで治療を始めてね。アレルギーに対する体質を改善するには、時間がかかるわ。治療は、長く続けた方がよい効果があらわれることが多いわ。

2年治療を行っても、治療効果があらわれなければ、治療の中断も視野に入れてお医者さんと今後の方針を相談して。効果があらわれているのなら、さらに治療を続けて行って。舌下免疫療法の効果は、4～5年行うとかなり長期間続くと考えられているわ。

治療を中断したら、花粉症の症状がぶり返したといいう人もいるの。でも、もう一度1～2年舌下免疫療法を行えば、治療効果は元に戻るわ。

誰でも舌下免疫療法ができる？

舌下免疫療法は、12歳以上が対象になるの。それと、血液検査でスギ花粉アレルギーであることを確認する必要があるわ。そのほかに、以下の人は舌下免疫療法を行うことができないわ。

症状がコントロールできていない喘息を持っている人
妊娠中の人・妊娠を希望している人
重い心臓病の人
がんの治療中の人
免疫抑制剤を服用している人

どんな花粉症にも効くの？

舌下免疫療法で保険適応になっているのは、スギ花粉に対する花粉症だけなの。ほかの花粉症で根治療法を希望する人は、アレルゲン免疫療法を行う必要があるわ。スギ花粉の舌下免疫療法が一般的な治療法になったら、ブタクサなどほかの花粉の舌下免疫療法も保険適応になる可能性はあるけど、残念ながら今のところは皮下注射によるアレルゲン免疫療法しか方法がないわ。