子宮内膜症の治療には超低用量ピルが有効です

こんにちは、Dr.komakoです。

子宮内膜症の治療では、超低用量ピルを使うことがあるの。鎮痛剤でも痛みがコントロールできない時や、40歳以下の若い患者さんに勧められる治療方法よ。

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超低用量ピルというのは、女性ホルモンであるエストロゲン（卵胞ホルモン）とプロゲステロン（黄体ホルモン）を配合したお薬よ。ピルには、エストロゲンの配合量によって高用量・中用量・低用量・超低用量に分かれているの。用量が少ない方が副作用が少ないわ。

超低用量ピルが保険適応になったのはごく最近の事なの。超低用量ピルには、それまで使われていた低用量ピルの3分の2の量のエストロゲンしか入っていないのよ。

ピルを飲むと、女性ホルモンの分泌を司っている視床下部が、「女性ホルモンはすでに体に十分ある。」と認識して、卵巣を刺激するのをやめるの。すると、排卵が起こらなくなるわ。

排卵が起こらなければ子宮内膜の増殖も止まるの。子宮の収縮も起こらないから、今まで悩まされてきた辛い月経痛が起こらないし、月経の量も少なくなるわ。

子宮内膜症の病巣そのものが縮小したり、小さな子宮内膜性卵巣嚢胞（チョコレート嚢胞）も縮小するわ。

超低用量ピルは他のホルモン治療と違って更年期の症状が起こらないから、長期間使うことができる治療方法なの。

でも、血栓症をおこしやすいから気をつけなければいけないわ。超低用量ピルを使っている間は喫煙は絶対にダメよ。前兆のある片頭痛を持っている人、腎臓疾患・心臓疾患・肝機能障害のある人は使えないわ。

血栓症の他には、吐き気や頭痛、乳房の痛み、むくみ、不正出血が起こるわ。この症状は、飲み初めに強くおこって、2～3か月でおさまってくるから心配いらないわ。

ピルを飲むと太りやすくなるという人もいるわ。でも、ピルを飲んだから太りやすい体質になるということは無いの。エストロゲンは食欲を抑えるの。エストロゲンが分泌されなくなると、食欲を抑える効果がなくなって、食べ過ぎてしまうのよ。

肥満は血栓をつくるリスクを高めるわ。超低用量ピルを飲んでいる間は特に、カロリーコントロールに気を付けてね。

超低用量ピルを飲んでいる間は、排卵が起こらないから妊娠できないわ。でも、治療中に妊娠を望むのであれば、お医者さんに相談してピルの服用を一時中断して。ピルを飲まなければ、1～2か月で排卵が再開して、妊娠できるようになるわ。

超低用量ピルは保険適応になったわ。3割負担の患者さんで、1か月分のお薬を買うと、3000円くらいかかるわ。

超低用量ピルはお医者さんに処方してもらわないといけない薬だから、お薬代の他に診療費などが別途かかるわね。

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