Dr.komakoのおんなのよろず診療所

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子宮内膜症でも妊娠はできる?

こんにちは、Dr.komakoです。

 

子宮内膜症の治療を受けながら妊娠することはできるのかしら。子宮内膜症の治療と不妊治療は同時にできるのかしら。

 

子宮内膜症の治療を受けながら妊娠できるのかどうかは、治療内容によるわ。子宮内膜症の治療と不妊治療は、両立はできないの。自分の意思をしっかり持って、不妊治療をとるのか子宮内膜症の治療をとるのかを決めないといけないわ。

 

子宮内膜症でも妊娠はできる?

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薬物療法と妊娠

子宮内膜症の治療では、薬物療法を行うことが多いわ。薬物療法には、鎮痛剤による治療と、ホルモン療法の2つの種類があるの。

 

鎮痛剤は、子宮内膜症の治療では一番最初に勧められる治療よ。鎮痛剤を飲んでいても、排卵には影響がないから、妊娠することができるわ。薬を飲み続けることで胎児への影響を心配する人がいるけれど、妊娠が分かった時点で鎮痛剤の服用をやめれば胎児に何か影響が起こるということは考えられないの。

 

ホルモン療法は、超低用量ピルやディナゲストという月経を止める薬を飲むことで、子宮内膜症の月経痛を抑え、子宮内膜症の病巣を小さくするの。お薬を飲んでいる間は、排卵が起こらないから妊娠はできないわ。

 

ホルモン療法中に妊娠を望むのでえあれば、薬を飲むのをやめればいいの。薬を飲まなければ、排卵が再開して妊娠が可能になるわ。でも、妊娠するまでの間、子宮内膜症の症状もまた起こる可能性があるわね。

 

一番いけないのは、ホルモン療法をやめて妊活に専念するのか、治療を受けて病巣が小さくなってから妊娠するのか、気持ちが揺らいでしまうことなの。子宮内膜症の症状がきつくて辛いのであれば、半年は治療に専念すると決めて、ある程度病巣が小さくなってから妊活に励むなど、自分の意志をしっかりもって治療方針を決めてね。

 

妊娠をすると、妊娠期間中は月経が起こらないから子宮内膜症の症状は軽くなるわ。

子宮内膜症性卵巣嚢胞(チョコレート嚢胞)と妊娠

子宮内膜症性卵巣嚢胞(チョコレート嚢胞)があって妊娠したいと考えている人は、すぐにでも卵巣嚢胞摘出術を受けましょう。できれば、手術後の癒着が少ない腹腔鏡手術がおすすめよ。

 

子宮内膜症性卵巣嚢胞を薬物療法で小さくしようと思ったら、ホルモン療法を行わなければいけなくなるわ。治療中は排卵が止まって妊娠することができないの。治療には長い期間かかる可能性があるわ。

 

卵巣嚢胞摘出術を行って、病巣や癒着を取り除き、卵管の通過性を調べるテストを行うと、手術後妊娠しやすくなるの。薬物療法で時間を費やすよりも、早く病巣を取り除いて早く妊娠したほうがいいわ。

 

ただし、卵巣嚢胞摘出術は再発する確率が多いの。2年以内に2~3割の人が再発してしまうといわれているの。手術が終わったら、できるだけ早い妊娠を目指しましょう。

子宮内膜症の治療と不妊治療

子宮内膜症の治療は、卵巣の働きを抑える治療を行うの。でも、不妊治療では排卵誘発剤を使って、排卵が起こりやすくするわ。子宮内膜症の治療と、不妊治療は相反する治療なの。2つの治療を同時に行うことはできないわ。

 

子宮内膜症の患者さんは、妊娠しにくいということが分かっているの。不妊症の治療を行っている2~3割の人に子宮内膜症があるといわれているわ。

 

子宮内膜症性卵巣嚢胞があるのであれば、卵巣嚢胞摘出術をすぐに受けるようにしましょう。それだけで、不妊症が改善される可能性があるわ。

 

子宮内膜症の病巣が小さくて、症状も軽いのであれば、不妊治療を優先してもいいわ。妊娠すると、病巣も小さくなるしね。

 

ただ、子宮内膜症が重度であれば、期間を決めて先に子宮内膜症の治療を行って病巣を小さくしてから不妊症の治療を行った方がいいわ。排卵誘発剤を使うと、子宮内膜症の症状はひどくなってしまうの。

 

大切なのは、気持ちがぐらつかないようにすることよ。子宮内膜症の治療を優先すると決めたら、妊娠は治療の後と割り切って、焦らないようにすることよ。

 

子宮内膜症―治療の選択肢とつき合い方 (サードオピニオンシリーズ)

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