Dr.komakoのおんなのよろず診療所

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アトピー性皮膚炎の完治とは

こんにちは、Dr.komakoです。

 

アトピー性皮膚炎を完治させてきれいな肌を手に入れたい!アトピー性皮膚炎に悩む人ならみんな思っていることでしょう。アトピー性皮膚炎はよくなったと思っても症状がぶり返したりし、先が見えなくて辛い気持ちになるわ。では、そもそのアトピー性皮膚炎の完治とは、どのような状態なの?

 

アトピー性皮膚炎の完治とは?

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アトピー性皮膚炎の完治は症状が出ない状態

アトピー性皮膚炎の完治とは、ズバリ、「アトピー性皮膚炎の症状が出ない状態」だと断言するわ。アトピー性皮膚炎の症状が出ない状態というのは、皮膚の角質層が整っていて、バリア機能が健全な状態よ。「完治」という言葉を使うのは厳密にいうと間違いね。病気そのものが治った状態ではないから、「寛解」という言葉を使う方が正しいわね。

 

アトピー性皮膚炎の原因の多くはアトピー素因というアレルギー体質よ。アレルギー体質を改善する方法は、現在の医学ではまだ開発されていないの。それに、アトピー性皮膚炎の患者さんは肌の角質細胞の中のセラミド成分が少ないわ。セラミドを外から補うことはできても、身体が作り出す量を増やすことはできないわ。

 

アトピー性皮膚炎の治療のゴールは、次の状態だととらえましょう。

  1. 症状がないか、あっても軽症で、薬物療法はあまり必要としない。
  2. 軽い炎症はあっても急性に悪化することはまれで悪化してもだらだらと続くことは無い。

つまり、保湿などのスキンケアはずっと行う必要があるの。でも、それは女性なら誰でも行っている範囲の保湿よ。使う基礎化粧品や保湿性外用薬には気を使う必要はあると思うけど。

 

適切なスキンケアを行っていて、健康な肌を維持していくことができていても、時々炎症が悪化してステロイド外用薬を使うことがあるかもしれない。まれに強い炎症が起こるかもしれない。でも、適切な治療を行うと早期に肌の状態が健康な状態に戻るのであれば寛解と考えていいわ。弱いタイプのステロイド外用薬を使うのが、皮膚の健康を保つために必要なら、続けていてもいいと思うわ。

 

皮膚科のお医者さんの中でも、ステロイド外用薬を使うことに神経質になっていたり、ステロイド外用薬を使わないことが完治だというとらえ方をしている人も多いわ。でも、ステロイド外用薬を使うかどうかにそれほどとらわれなくてもいいと思うの。

 

寛解は、アトピー性皮膚炎の症状が起こらない状態、もしくは、時々症状が出てもコントロールすることができている状態。こう考えると、ゴールまでの道のりって、それほど遠くないのではないかしら?

アトピー性皮膚炎の完治をうたった民間療法に騙されないで!

アトピー性皮膚炎の治療では、「アトピー性皮膚炎を完治させる」「アレルギー体質を改善する」とうたっている民間療法がたくさん登場しているわ。これは、アトピー性皮膚炎とアレルギーとの関係を間違ってとらえていたり、ステロイド外用薬に対する誤った考え方が原因なの。

 

繰り返しになるけれど、

  • アレルギー体質を改善することは、今の医学ではできません。
  • アトピー性皮膚炎は特定のアレルゲンを除去する必要はありません。
  • ステロイド外用薬は医師の指導のもとで使っている限り副作用について心配する必要はありません。

民間療法のすべてを否定するわけではないけれど、とくに「ステロイド外用薬を使わないで治す」という治療法には注意が必要よ。誤った治療法を行ったばかりに症状が重傷化してしまうことが、とても多いの。

 

アトピー性皮膚炎の治療は「スキンケア」「薬物療法」「原因や悪化因子の除去」の3本柱よ。適切な保湿、ステロイド外用薬を正しく使う事、ストレスをためない、汗をかいたら拭くといった普段の生活で悪化させない工夫をすること、この3つの方法が、時間はかかるけれど完治までの一番の近道なのよ。

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