こんにちは、Dr.komakoです。
アトピー性皮膚炎の原因は皮膚の構造とアレルギー反応の2つあるの。アトピー性皮膚炎の患者さんは、乾燥しやすい肌構造をしていることが多いのよ。それに加えて、アレルギー反応が炎症やかゆみを起こしているのね。
アトピー性皮膚炎の2つの原因
肌の構造
アトピー性皮膚炎を理解するためには、皮膚の役割と構造を理解しておく必要があるの。皮膚は、身体の内部を外部の刺激から守る働きと、身体の中の水分が外に奪われないようにする働きをしているのよ。
肌は、表皮・真皮・皮下脂肪組織の3層に分かれているわ。表皮はさらに皮脂膜と角質層に分かれているの。
角質層をクローズアップしてみてみると、角質細胞が10~20層ほど、規則正しく並んでいるのが分かるわ。角質細胞と隣の角質層の間には隙間があって、セラミドという成分で満たされているの。セラミドは角質細胞同士をつなぎ合わせる働きを持っているのよ。角質細胞が規則正しく並んでいて、セラミドが細胞同士をつなぎ合わせている状態が健康な肌の状態なの。健康な肌は異物をブロックする肌バリア機能がしっかりと働いているわ。肌の構造について詳くは下の記事に書いているから参考にしてね。
アトピー性ドライスキンとは?
アトピー性皮膚炎の人の肌は「アトピー性ドライスキン」という状態になっているわ。アトピー性皮膚炎の人はセラミドの量が少ないの。セラミドが少ないと角質層がもろくなって肌の水分が外に蒸発しやすくなるの。アトピー性ドライスキンはセラミド不足のためにおこる現象よ。
角質層がある表皮には、かゆみを感じる神経が張り巡らされているの。角質層がもろいということは、肌のバリア機能が低下してしまって外部の刺激にさらされたり異物が侵入しやすい状態になっているわ。角質層が薄いとかゆみを感じる神経が外部の刺激や異物に反応しやすくなってしまうわ。かゆみを感じて肌をかくとさらに角質層を傷つけてしまって角質層が薄くもろくなってしまい、かゆみを感じやすくなるの。かゆみがかゆみを呼ぶという悪循環が起こってしまうのね。
アトピー性皮膚炎のかゆみについての記事はこちらです。
アトピー性皮膚炎とアレルギー反応
アトピー性皮膚炎の人の8割はアトピー素因というアレルギー体質なの。アレルギー体質の人はアレルギー反応を起こして肌のかゆみをおこしやすくなっているの。アレルギーと肌のかゆみについてや、アトピー素因については、別の記事で詳しく書いているから参考にしてね。
アトピー性皮膚炎のひとでも、2割はアレルギーとは関係がなく発症しているの。肌バリアが低下しているところに肌に刺激を与えるような環境的な要因や、疲労やストレスといった免疫機能の低下が重なって起こるのよ。アトピー素因を持っている人が、100%アトピー性皮膚炎にかかるかというとそういうわけでもないわ。ほかのアレルギー症状を持っていたり、家族にアレルギー疾患のある人がいてもアトピー性皮膚炎を発症しない人もいるの。
アトピー性皮膚炎を発症している乳幼児では、食物アレルギーを合併している人も多いわ。食物アレルギーも皮膚のかゆみや湿疹をおこすけれど、アトピー性皮膚炎とは別の病気であることを理解しておいてね。食物アレルギーによる肌症状は原因になる食品を制限することで症状を改善させていくわ。アトピー性皮膚炎はそれとは別にスキンケアと外用薬で治療し、症状を悪化させる因子を除去する治療を行っていくのよ。
アトピー性皮膚炎の治療についてはこちらの記事をご覧ください。
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