こんにちは、Dr.komakoです。
アルコール依存症は、認知症になる確率を高くするの。
アルコールを若いころにたくさん飲んでいた人や、毎日2合以上の飲酒を続けている人は、脳が委縮している可能性が高いわ。
あなたはアルコール性認知症の症状に、思い当たる症状はないかしら?
アルコール依存症とコルサコフ症候群 アルコールによって奪われる記憶
アルコールが脳に与える影響とは?
アルコールを長期間飲み続けると、脳が委縮するということが分かってきたわ。
アルコール依存症と診断されていない人でも、長い期間お酒を飲む習慣があったり、最近は量を減らしているけれど、若いころは浴びるようにお酒を飲んでいたという人が、脳ドックを受けると、ほとんどの場合脳の委縮を指摘されると思うわ。
それくらい、アルコールは脳へダメージを与えるの。
アルコール性認知症は、脳の血流が悪くなって起こる脳血管性のものや、アルコールによる栄養障害によっておこるものがあるわ。
アルコール性認知症の代表的な病気 コルサコフ症候群とは?
アルコール性認知症の代表的な病気に、コルサコフ症候群というものがあるわ。ウェルニッケ脳炎を発症した後に、コルサコフ症状が残ることも多くて、ウェルニッケ・コルサコフ症候群とセットで呼ばれることもあるわ。
ウェルニッケ脳炎も、コルサコフ症候群も、栄養障害によっておこるの。
アルコール依存症の人は、お酒ばかり飲んで、食事をとらないことが多いわ。それに、下痢を起こすことが多くて、腸からビタミンB1の吸収が悪くなっているの。アルコールを分解する時にも、ビタミンB1が大量に必要になるから、アルコール依存症の人はビタミンB1不足になりやすいの。
ウェルニッケ脳症とは
ウェルニッケ脳症は、命に関わる重大な病気なの。主に3つの特徴があるわ。
- 意識障害
- 歩行障害
- 眼振
ビタミンB1の連続投与で、症状は改善するけれど、そのあとコルサコフ症候群という後遺症を残すの。
コルサコフ症候群とは
コルサコフ症候群の人の脳をMRIで見てみると、脳萎縮が起こっていて、特に海馬の萎縮が深刻な状態なのが分かるわ。
海馬は、人の記憶に関係するところなの。
コルサコフ症候群になると、記憶の障害が起こるの。昔の事を思い出すことができないし、新しいことを覚えることもできなくなるわ。
記憶障害の他に、見当識障害も起こすの。
見当識障害というのは、今いる場所や時間が分からなくなる障害よ。
一方で、コルサコフ障害になっても、会話はスムーズで考える力は残っていることが多いわ。
コルサコフ症候群になると、自分の置かれている状況が分からなくなるわ。自分が今まで培ってきた記憶があいまいになるばかりか、新しく起こることを記憶できないの。
あなたは自分の存在が結局のところ何でできているか考えたことがある?わたしは、それまで生きてきて、経験してきて、感じ取ってきた記憶の蓄積だと思うの。コルサコフ症候群になると、今まで蓄積してきた記憶が失われ、自分の存在を見失ってしまうのよ。
まるで、大海原に投げ出されたいかだに乗っているようだと表現した人がいたわ。それくらい、心細い状態なのよ。
でも、会話は上手で、流ちょうなの。考える能力も残されているから、思いついたことを上手につなぎ合わせて会話をするわ。それは聞いている側からしたら作り話だけれど、本人にとっては、精一杯の現実と繋がる方法なのよ。
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