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子宮体がんの3つの手術の方法とよくおこる合併症

こんにちは、Dr.komakoです。

 

子宮がんになると、多くの場合手術を受けることになるの。
どんな種類の手術があるのかしら。そして、手術の合併症って、あるのかしら?

 

子宮体がんの3つの手術の方法とよくおこる合併症

 

■子宮体がんの手術の種類

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子宮体がんになると、ごく初期にはホルモン療法だけを行うこともあるけれど、ほとんどの場合は手術を行うことになるわ。
手術を行うと同時に、リンパ節の検査を行って、がんがどこまで広がっているのかを確かめるのよ。
子宮体がんは手術をしてみないと正確なステージを診断することができないし、ステージを診断できなければ、手術後の治療の方針を立てることができないわ。
子宮体がんの手術には、3つの種類があるの。

 

●単純子宮全摘出術と両側付属器(卵巣・卵管)切除術

単純子宮全摘出術と両側付属器(卵巣・卵管)切除術
お腹を切り開いて、子宮体部を取り除く方法よ。同時に、卵巣や卵管を取り除くの。子宮体がんの手術では、一般的な方法になるわ。
Ⅰ期以上のがんであることが予想されるときは、子宮を摘出すると同時に、周囲のリンパ節を切り取って、転移していないかどうかを検査するの。このリンパ節の検査は、リンパ節廓清と呼ばれているわ。
リンパ節廓清を行って、リンパ節に転移が無ければⅠ期だし、転移していればⅢ期という診断になるわ。

 

●広汎性子宮全摘出術

広汎性子宮全摘出術
子宮、卵管、卵巣、膣、子宮の周りの組織を広範囲で取り除く手術よ。手術の前の診断で、Ⅱ期以上のステージだと診断されているときに選択される手術になるわ。
同時にリンパ節廓清を行って、Ⅱ期なのか、それ以上のステージなのかを診断するわ。

 

●準広汎子宮全摘出術+卵巣・卵管切除術

準広汎子宮全摘出術+卵巣・卵管切除術
単純子宮全摘出術と両側付属器(卵巣・卵管)切除術と広汎性子宮全摘出術のちょうど中間の手術で、子宮、卵管、卵巣、子宮周囲の組織を取り除く手術になるわ。

 

■子宮体がん後の合併症


子宮体がんの手術を行うと、いろいろな合併症を起こすことがあるわ。

 

●排尿障害

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子宮や、その周囲の組織を取り除いたことによって、膀胱の神経が傷ついたり影響を受けたりして膀胱の機能が上手く働かなくなることがあるわ。
尿が出にくい、尿意を感じない、尿が漏れる、といった症状が多いわ。
手術中と、手術後のしばらくは、尿道に管を入れて自動的におしっこが身体の外に出るようにしているの。手術後、身体が落ち着いたら管を抜いて、自分で排尿をする訓練をしていくの。


最初は上手く行かなくて、膀胱に尿が残ってしまうことがあるから、自己導尿と言って、自分で尿道に管を通しておしっこを自動的に外に出すの。看護婦さんがやりかたを教えてくれるから、大丈夫よ。
訓練をしながら、膀胱の機能が回復するのを待ちましょう。


尿意を感じないときは多めに水分を取るといいわ。きまった時間にトイレに行って、排尿の訓練を行うの。お腹に力を入れたり、ビデで尿道を刺激するのもいい方法よ。


尿漏れは、尿取パットを上手に利用して。最近は、いろいろな種類の尿漏れパットが販売されているわ。自分に合ったものを選んで。定期的に交換して、清潔を心がけることも大切よ。

 

●排便障害


広汎性子宮摘出手術を行った時におこることが多いわ。手術で直腸の神経を傷つけてしまったことが原因になるわ。便が直腸まで降りてきても、便意を感じないことがあるの。
便秘に悩まされることが多くなるわ。食物繊維の多い食事は便秘の改善にはいいけど、過度に多いとイレウスの原因になるから気を付けて。
充分な水分と、バランスのとれた食事、適度な運動が大切よ。生活習慣に気を付けると同時に、お医者さんと相談をして、下剤を上手に利用してね。

 

●足のむくみ

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リンパ節を取り除く手術をすると、リンパ節の流れが滞って足がむくんでくるわ。医学的なリンパドレナージという方法でリンパ液を流すの。
美容目的のリンパドレナージとは方法が違うから、ちゃんと看護婦さんからやり方を教えてもらってね。
同じ姿勢を続けることは避けて、弾性ストッキングを利用するなど、日常的にリンパ液が滞らないような工夫をしてね。

 

●更年期障害のような症状

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子宮や卵巣を取り除くことによって、ホルモンバランスが崩れて、更年期障害のような症状が起こるわ。
のぼせやほてり、異常な発汗などの自律神経症状や、イライラや情緒不安定のような精神的な症状が中心になるわ。
できるだけ症状にとらわれず、気分転換やリラックスを心がけてね。辛い時は遠慮せずにお医者さんに相談をしてね。

 

   

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