こんにちは、Dr.komakoです。
甲状腺にできる腫瘍には、良性のものと悪性のものがあるの。ほとんどが良性のもので、3つの種類に分かれているのよ。
良性の甲状腺腫の種類と性質
腺腫
良性の甲状腺腫を結節性甲状腺腫と呼ぶわ。腺腫は、甲状腺に1つだけ腫瘍ができる結節性甲状腺腫なの。
腫瘍の大きさはさまざまよ。全く分からなくて放置されていることもあるし、たまたま小さな腫瘍に気が付いて病院に行ったという人から、人の頭くらいある腫瘍ができて下を向けなくなってしまう人まで。
でもね、腺腫の腫瘍がどんなに大きくなっても、呼吸が苦しくなったりものが呑み込みにくくなることは全くないの。腺腫が体に悪い影響を与えることもないわ。
腺腫様甲状腺腫
結節性甲状腺腫のうち、甲状腺に複数の腫瘍ができるものを腺腫様甲状腺腫というの。細胞の種類としては、過形成と言って、ポリープの一種ができていると思っていていいわ。
腺腫様甲状腺腫は、複数の腫瘍ができるから、腺腫よりも大きく見えるし、中には鎖骨よりも下の胸の内側に垂れ下がったように腫れてくることがあるわ。このように大きくなっている腫瘍は縦隔内甲状腺腫と呼ぶの。縦隔内甲状腺腫になっていても、呼吸が苦しくなるようなことはめったにないわ。
複数の腫瘍の中に、嚢腫が混じっていることがあるわ。中には、腫瘍の一つが悪性であることもあるの。でも、腫瘍性甲状腺腫の中に交じっている悪性腫瘍は、急激に体に悪い影響を与える性質のものではないわ。
嚢胞
甲状腺にできるしこりの内側に水のようなものが溜まっているの。水のようなものの正体は、血液や水でできていて、チョコレートの塊のようなものや、是り状のようなものなど、いろいろな形状をしているわ。
嚢胞は、自然に消えて行くことも多いのよ。特に体に悪い影響を与えないから経過を見て行くことにしていると、10年くらいで80%の患者さんの嚢腫が消えてしまうか、とても小さくなってしまうの。
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