こんにちは、Dr.komakoです。
甲状腺の腫瘍は、良性であれば特に治療が必要ではない場合もあるの。でも、大きさや種類肥よっては、手術が必要な場合もあるわ。最近は、手術に代わって新しい治療方法を勧められることもあるのよ。
甲状腺の良性腫瘍の治療方法 経過観察から最新の治療法まで
経過観察
甲状腺の腫瘍が明らかに良性で、腫瘍が小さい時には特に治療を必要としないわ。でも、その腫瘍が100%良性だと証明できる検査方法はまだ開発されていないの。だから、良性だと思われる腫瘍でも、定期的に経過を見て行く必要があるの。面倒だけど、決められた通りに通院を続けてね。
吸引
嚢胞は、袋の中に水が溜まった状態だから、注射器でその液体を吸い出すの。それだけで、腫瘍が消えてしまうこともあるわ。嚢胞がとても小さい時は、治療をせずに経過を見て行くこともあるの。でも、吸入をしても何度も腫瘍が膨らんでしまったら、手術やエタノール注入療法での治療が必要になるわ。
薬物療法
首の腫れは、美容上も気になるから、できれば小さくしたいわよね?
甲状腺の良性の腫瘍を小さくするのに、甲状腺ホルモンの服用が有効なことがあるの。ただ、薬物療法が効く人は、全体の10~20%と少し少ない数字ね。手術のように体に大きな負担がかからないから、まずすすめられる治療方法よ。
手術
良性の腫瘍でも、手術を勧められることはあるわ。
- 良性の腫瘍か悪性の腫瘍か判断しにくい時:エコーや細胞診をしても腫瘍が悪性か良性かを判断できないときは、手術で取り除くのよ。
- 甲状腺機能性結節:プランマー病と呼ばれるこの病気は、腫瘍が勝手に甲状腺ホルモンを過剰分泌してしまう病気なの。手術かエタノール注入療法での治療が必要になるわ。
- 縦隔内甲状腺腫:腫瘍が大きくなって胸の内側に入り込んでしまっている場合は、周囲を圧迫してしまうから、手術で取り除く必要があるわ。
- 腫瘍が大きい時:腫瘍が目立ってしまうと美容上気になるし、腫瘍は大きいほど悪性の可能性が高くなるの。あまりに大きい腫瘍は、手術で取り除くのよ。
エタノール注入療法
エタノール注入療法は、もともとは肝臓がんの治療に使われているものなの。
エタノールには、たんぱく質を固める作用があるの。甲状腺の腫瘍に注入すると、腫瘍の組織を脱水して固め、血管を塞いで腫瘍の組織を破壊してくれるのよ。
治療はとても安全で、入院の必要もないの。エコーを見ながら注射器で、患部にエタノールを注入するだけなのよ。
とても画期的な治療法だけど、甲状腺には今のところ良性の腫瘍にしか使えないの。最近では、バセドウ病の治療にも効き目があることが分かってきたわ。将来的には、悪性の甲状腺腫瘍にも使われるようになると思うわ。
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