こんにちは、Dr.komakoです。
家族がアルコール依存症になったら、子供たちにはどんな影響があるのかしら。
じつは、アルコール依存症の家庭で育った男の子の約５０％が、大人になってからお酒に関係する問題を起こすといわれていて、女の子の約25％が、お酒に関する問題を持つ男性と結婚するといわれているの。
家族がアルコール依存症になったら 子供に与える影響
アルコール依存症家庭の子供の特徴
アルコール依存症家庭の子供は、みんな似かよった特徴を持っているの。
大きく分けて、４つのタイプに分けることができるわ。
- 王様タイプ：家族を支えて家族の中心的な役割を果たしているの。家族という国の王様のような役割を果たしているような子供よ。
- 非行タイプ：家族の外に自分の世界を求め、非行に走るタイプの子供よ。
- ピエロタイプ：家族の中で道化師の役割を持っているの。家族の感情に常に気を使っていて、必要なときは励まし、力づけようとするわ。
- 能面タイプ：自分の世界に閉じこもり、感情を表に出さないようにしている子供よ。
アルコール依存症家庭の子供の成長過程で現れる問題
アルコール依存症家庭の子供は、その成長過程で、特徴的な問題が現れてくるわ。
アルコール依存症家庭の子供の特徴：幼児期
幼稚園に通うようになると、他の子供たちと同じように先生の話を座って聞くことができないことに気が付くわ。幼稚園の先生から、「多動」だと指摘を受けることがあるかもしれないわ。
それに、アルコール依存症家庭の子供には、ぜんそくの発作を持つ子供が多いの。
いずれも、情緒的に不安定になっていることが背景にあると考えられるわ。
アルコール依存症家庭の子供の特徴：学童期
学校に通うようになると、子供たちは友達付き合いから人との交流の方法を学んでいくようになるわ。
アルコール依存症家庭の子供は、友達に、自分の親がアルコール依存症だということを知られたくないわ。だから、友達を家に呼ぶことができないの。友達に家族の話をすることも避けるようになるわ。
家族にアルコール依存症がいるということを知られたくない子供たちは、友達との付き合いが制限されていって、人とうまく付き合う方法を学ぶ機会が少なくなってしまうの。これが、大人になってから対人関係でつまづく原因にもなって行くわ。
学童期の後半になって行くと、自我が芽生えて行くの。中には、非行や登校拒否といった反社会的な行動が目立つようになる子供がいるわ。反対に、過度にいい子を演じる子供も出てくるわ。
アルコール依存症家庭の子供の特徴：思春期
特に学童期に良い子を演じるようになった子供に多い特徴があるわ。
拒食・過食といった摂食障害や、シンナーなどの薬物の依存、万引きや浪費よ。これらは、全く違う問題にみえるけれど、掘り下げて行くと、「嗜好的な行動」という共通の問題が見えてくるわ。
思春期の子供は、親から独立しようとしているわ。その時にやっと、アルコールに関する親の問題に自分がとても巻き込まれているということに気が付くの。
気付きは、絶望や、怒りを伴うわ。でも、アルコールの問題で、苦労している親の姿を見てきているから、直接親に自分の怒りをぶつけるわけにはいかないと感じるわ。
それで、「嗜好的な行動」という方法で自分の絶望感や怒りやストレスを発散するようになるの。
アルコール依存症の家族の特徴：成人期
成人期になった子供たちは、自分に自信が持てなかったり、人との交流が上手く行かないことで、不安を抱えるようになるわ。
母との依存関係を満たして卒業するといった自立の機会を逸したことや、学童期に対人交流の方法を学べなかったからよ。人との交流の中で上手く育つことができないと、人から自分を認められたという経験も少ないわ。
こうして、アルコール依存症家庭で育った子供たちは、アルコールにおぼれやすい性格傾向を築いていくの。
アルコール依存症になりやすい性格傾向については、こちらの記事で詳しく解説しているわ。
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