Dr.komakoのおんなのよろず診療所

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アルコール依存症の薬 薬物療法の有効性は?

こんにちは、Dr.komakoです。

 

アルコール依存症の治療の一つに、薬物療法があるわ。

でも、アルコールを飲めなくする薬ではないし、依存症状を改善する薬でもないの。

アルコール依存症の治療に使われる薬って、どんなものがあるのかしら?

 

アルコール依存症の薬 薬物療法の有効性は?

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アルコール依存症で使われる薬とは?

アルコール依存症で使われる薬は抗酒剤というの。

 

アルコールは、肝臓でアルコール脱水素酵素などの働きをかりてアセトアルデヒドに分解されるわ。アセトアルデヒドは、とても有害な物質で、顔面紅潮、吐き気、動悸などの不快な症状を起こすわ。

 

アセトアルデヒドは最終的には、炭酸ガスと水に分解されて体から出て行くの。

 

個人差があるけれど、日本酒1合を飲んで炭酸ガスと水に分解されるまで、大体3時間だと考えられているわ。

 

抗酒剤は、アセドアルデヒドの分解を遅らせるの。その為に、アルコールを飲んですぐ、顔が赤くなり、ひどい吐き気や動悸、呼吸困難、めまいなど、不快な症状が起こって、ひどい時は立てなくなるの。

 

この不快な症状を利用して、アルコールを飲めないようにしているの。

 

抗酒剤の種類と飲み方

抗酒剤は、今のところ2種類あるわ。シアナマイドとノックビンよ。

 

シアナマイドに比べて、ノックビンの方が作用が強いわ。服用の仕方や、副作用の現れ方に、それぞれ特徴があるわ。

 

どちらの薬も、効果を発揮するためには、服用時にアルコールを飲んでいないことが前提になるわ。

 

  • シアナマイド:服用後一時間で効果が発揮するけれど、効果は一日しか持たないわ。長期間服用した後、再度飲酒を始めた時に肝障害を起こす確率が高くなるわ。
  • ノックビン:シアナマイドよりも効果が強いわ。服用してから充分な効果が出るまで、1週間連続して飲まなければいけないの。その代わり、1週間は効果が持続するわ。副作用として、まれにだけれど肝臓の障害、精神病用の症状が出ることがあるわ。

 

抗酒剤の治療効果と限界

抗酒剤を飲むときの大前提は、アルコール依存症の本人が断酒を決意しているという事よ。家族が本人に内緒で食事に混ぜたりしては意味がないわ。

 

抗酒剤を飲んでいたからと言って、飲酒ができないわけではないわ。飲酒欲求にまけて、飲んでしまうことだってあるわ。

 

でも、飲酒した時の不快な症状が起こるから、大量に飲むことはできないわ。そのことが分かっているから、抗酒剤を飲むことによって飲酒への諦めがつくし、大量飲酒によって断酒に失敗する心配が少なくなるわ。

 

家族も、抗酒剤を飲んでいると飲酒ができないから、安心していられるわ。安心感が、家族関係の修復を助けてくれることもあるわ。実は、家族の関係ってアルコール依存症の治療にはとても大切な存在なのよ。

 

でも、抗酒剤にも限界があるわ。

 

断酒を続けるには、アルコール依存症になるに至った本人の問題に向き合ったり、飲酒欲求に打ち勝つための支えが必要なの。アルコール依存症の治療には、家族の支えと、断酒会やAAなどの自助グループの支えが必要よ。

 

アルコール依存症と闘う決意をしたら、是非読んで欲しい本があるの。

きっとあなたの助けになるわ。

 

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