インフルエンザの治療薬にはどんなものがあるの?
こんにちは、Dr.komakoです。
インフルエンザにかかったら、48時間以内にインフルエンザ治療薬を服用しましょう。現在日本で使われているインフルエンザ治療薬には主に4つの種類があるわ。
インフルエンザの治療薬にはどんなものがあるの?
インフルエンザ治療薬はどうやって効くの?
イ
ンフルエンザウイルスは、次の3つの過程で感染して増殖していくの。
- ヒトの体の細胞に吸着し、侵入し、殻から抜け出す
- 侵入した細胞内でRNAを複製する
- 細胞から遊離する
現在使われているインフルエンザ治療薬は、3の細胞から遊離するのを阻害する効果があるの。つまり、インフルエンザウイルスが増殖するのを抑える効果があるのよ。
インフルエンザ治療薬は飲んだ方がいいの?
インフルエンザ治療薬を標準的に治療として使うのは、日本くらいかもしれないわ。諸外国はインフルエンザにかかったら家から出ないで休養して自己免疫で治すのが普通の方法なの。
日本は国民健康保険制度が整っていて、多くても3割負担で医療を受けることができるわ。だから、「インフルエンザかな?」と思ったらみんな病院へ行って検査を受けて治療薬をもらって薬を飲むの。
2009年の新型インフルエンザの流行時は、日本での死亡例が諸外国に比べてとても少なかったのよ。これは、インフルエンザにかかったらすぐに病院へ行ってインフルエンザ治療薬をもらって飲むということが当たり前の治療になっているからではないかと考えられているわ。被害が発生したメキシコや、お隣の国のアメリカでは、新型インフルエンザ流行初期はインフルエンザ治療薬は健康な成人には必要ないと考えられていて、被害を大きくしたの。
中国で出現したH7N9型の鳥インフルエンザでは、発症した1/4の人がなくなっているわ。これには、インフルエンザ治療薬を投与するのが遅れたことも原因ではないかと考えることができるわ。たとえば2013年に発生した時は、111名の患者さんのうち、48時間以内にインフルエンザ治療薬を投与された人はたった11名よ。120時間以内にインフルエンザ治療薬を飲んだ人は32名、120時間以上たってからインフルエンザ治療薬を投与された人は65例よ。
インフルエンザウイルスの増殖を抑える薬を、120時間も経ってから飲んでも何の効果もないわ。
インフルエンザウイルスの増殖はできるだけ早期に抑え込んだ方が、重症化するリスクは少なくなるわ。
インフルエンザ治療薬の種類は?
タミフル
最も早く日本で認可されたインフルエンザ治療薬よ。A型とB型両方に効果があるわ。カプセル状のお薬よ。一日2回服用するの。下痢などの副作用が起こることがあるわ。
リネンザ
吸入型のインフルエンザ治療薬よ。インフルエンザウイルスは上気道で増殖するわ。インフルエンザウイルスがいる場所にダイレクトに薬の効果を届けることができるの。1日2回、5日間吸入を行うのよ。吸入だから、小さいお子さんには難しいかもしれないわね。
全身性の副作用は少ないけれど、下痢や呼吸症状の副作用が起こることがあるわ。
イナビル
イナビルも吸入型のお薬よ。10歳以下のお子さんで1回、10歳以上の人で2回の吸入で治療が終了するの。ただし、1回から2回の治療で、確実に薬剤を吸入する必要があるわ。
下痢や悪心、じんましんなどの副作用が起こることがあるわ。
ラピアクタ
点滴型のお薬よ。300mlの薬剤を、15分かけて点滴して治療は終了よ。カプセルを飲んだり、吸入をするのが難しい患者さんに使いやすいお薬よ。
副作用は、下痢、白血球減少、尿たんぱくが報告されているわ。
タミフルを飲むと異常行動があらわれるって本当?
タミフルが発売されたときに、タミフルを飲んだ子供が外に飛び出すなどの異常行動があらわれたという報告があったわ。異常行動は、インフルエンザ治療薬によっておこったものではなく、インフルエンザにかかった子どもは異常行動を起こす可能性があるということが分かっているわ。
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